出版社内容情報
今沢真[イマサワマコト]
内容説明
年も押し迫った2016年12月27日の夜6時。東京・浜松町の東芝本社で、綱川智社長の緊急記者会見が開かれた。綱川社長が発表したのは、「原子力事業で数千億円の損失が発生する可能性がある」という、衝撃の内容だった…。史上空前の規模の巨大損失を発表した東芝。解体、そして“消滅”の危機に直面した背景や現状をリポートする―。
目次
第1章 「原子力事業で損失数千億円」の衝撃
第2章 わからないことだらけの東芝の説明
第3章 損失額7000億円?広がる疑心
第4章 福島原発事故で暗転した原子力事業
第5章 半導体事業の切り売り
第6章 暗黒のバレンタインデー
第7章 誰も「間違っている」と言わない風土
著者等紹介
今沢真[イマザワマコト]
毎日新聞経済プレミア編集長兼論説委員。1983年、毎日新聞社入社。89年経済部。税・財政や日銀、銀行、製造業、流通などを担当。2013年論説委員(税・財政、IT担当)。15年から現職。16年度城西大非常勤講師。日大経済学部、東洋大法学部でも教壇に立つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
53
返す返すもLessons Learnedが活かせなかった企業文化が遺体。時系列で追う”不整合”。問われるビジネスの健全性と社会性。天災などの不慮の事故やシェールガス革命などの環境変化は、ビジネス・リスクとして想定内のはず。問題は、「東芝買取請求権」や「固定価格オプション」などの前提条件の検証の精度。判断基準と責任者。Chapter 11・・・、メモリー事業の売却が、真の戦略かどうかが問われる。技術はもとより、人材流出が、今後ボディブローのようにジワジワ母体を蝕む気がする。2017/05/26
mazda
23
ついに半導体売っちゃった…。営業利益の9割を稼いでいたという話がありますが、残った重電だけでカバーできるんでしょうか…。2018/05/16
bakumugi
10
雑誌の特集的にさらっと一気に読了した。面白く読んだが、目新しい内容は特にないかな。類似本、記事を読んでいるが、日本企業的体質の闇(病み?)に暗澹とするばかり。失敗したときに負けを認めて撤退する勇気。上司にノーと言える風土。良くも悪くも、日本も日本企業もごまかす体質が染みついているんだよなぁ…。これが今年の読書はじめかー!ひとまず自分の読書傾向をごまかさずに記録していこう笑。今年も良い本に出会えますように。2018/01/15
Honey
9
最近、日本企業の切り売りが話題になることが多くて、ちょっと心配だったりするのですが、ニュースはその時々の報道だけなので、時系列で経緯が読めてよかったです。 しかし、どうしてそういう流れになったのかは、まだすっきり理解できませんでした。2018/04/23
乱読家 護る会支持!
3
福島第1原発事故から一気に経営が悪化した東芝。本書を読んでも真相はよくわからない。 誰も間違っているとは言わない風土、「原発は順調」神話、など間違いを正さない、志を持たない幹部など、、、2017/07/23