出版社内容情報
京セラ創業・第二電電設立・JAL再生と、超人的な手腕を発揮した“新・経営の神様”稲盛和夫。その人間力の源泉に迫る、評伝文学の金字塔!
内容説明
“新・経営の神様”の半生を、大物経営者と向き合ってきた作家・北康利が、本人へのロングインタビュー、および関係者への周辺取材を通じて克明に描き出す。“稲盛和夫伝”の決定版。
目次
序章 誓いの血判状
第1章 勝ちに見放されたガキ大将
第2章 ファインセラミックスとの出会い
第3章 世界の京セラへ
第4章 第二電電への挑戦
第5章 奇跡のJAL再生
第6章 「利他の心」を永久に
著者等紹介
北康利[キタヤストシ]
昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。“100年経営の会”顧問。日本将棋連盟アドバイザー。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
30
北康利さんの評伝からは、いつも、主人公の熱い「思い」が伝わってくる。稲盛和夫さんは、称賛と批判が相半ばする存在だが、北さんが描くと、善なる部分・前向きな部分だけが濾過される。京セラの躍進、KDDIの挑戦、JAL再建などの業績以上に、経営哲学としての稲盛さんの人間的な言葉が魅力的だ。「思無邪」「動機善なりや、私心なかりしか」「利でなく理でなく情」「儲けるという字は信じる者」「マネージャーではなくリーダー」「「お疲れ様です」ではなく「お元気様です」」…薩摩と京都という二つの風土が、この人に見事に結実している。2019/07/08
西
22
稲盛さんが成し遂げた実績に圧倒される。京セラ立ち上げ、第二電電の挑戦、JAL再生など、並の人間なら「出来ない言い訳」になる材料が山盛りの中で、出来る方法を模索し続けた芯の強さ。稲盛さんの元で働くのは厳しいことは確実だけど、それ以上に愛情があること、覚悟を持たれていることがわかるから、この人に着いていこうと思わせるのだろう。感謝の気持ちを忘れず、京都賞設立など、社会貢献に尽力されているところも素晴らしい。こんな器の人が、また日本に現れるだろうか?2019/09/29
スプリント
9
すでに立志伝中の人物といえますが、徐々に時代とヅレが生じつつあることが気がかりです。松下幸之助や中内功のようになるか、本田宗一郎のようになれるか。。2019/07/09
Gokkey
8
コロナ禍では流石に落ち込んだが、氏が再建を担ってからjalの業績は確かに回復した。断片的に(アメーバ経営など)は知識を得ていたが、それ以上に人間としてどういう方だったのかに凄く興味があり、手に取った次第。特に取引先の中小企業の経営者には例の塾生が多く存在していたようなイメージがあり、何がそこまで惹き付けるのか気になっていた。反骨心、努力、利他の心、この三つのキーワードで一生を語れる位に正に「絵に書いたような」ストーリー。ここに物足りなさを抱く私の心は「邪あり」なのか、そもそも何を期待して読んだのか…2023/06/03
すうさん
7
500ページを超える本を一気に感激して読んだ。本書で感動と燃え上がる情熱に震えまた苦しくて悔しくて涙した。普通は成功した人物はどんな困難にあっても乗越えていく話だが、試練を乗り越えた後も、驕り高ぶらず謙虚で強い人間性が学べるのだと思う。盛和塾に参加した企業家たちが学べたのはその精神だと思う。それも利他の心で「人生の成就は、只不屈不撓の一心にあり、さらばひたむきに只想え、気高く強く一筋に」の想いで人生を生きる。私には真似のできない生き方だが、稲盛塾長はずっと心の師として、生涯自分の人生の判断基準であります。2019/05/14