内容説明
認知症700万人時代。本人の思いをどうケアに反映させれば良いのか。もがき苦しみながら居場所を見つけた当事者を、初めて真っ向から捉えたルポルタージュ。2014年度第33回ファイザー医学記事賞優秀賞を受賞!
目次
第1章 私らしく生きる(病気隠さず何でも挑みたい;忙しい毎日「まだいける」 ほか)
第2章 医療・暮らし支える(「家族」「環境」の安定が大切;初期から「暮らしぶり」着目 ほか)
第3章 変わる病院(生活機能訓練で退院促す;入院防ぐ、定期の訪問看護 ほか)
第4章 できること、ある(理解と工夫で「社員」続ける;職場以外の居場所求め ほか)
第5章 地域で暮らす(農園が人々をつなぐ;本人の思い、くみ上げ ほか)
認知症国際会議―ケアと予防を議論
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マーブル
5
冒頭で認知症患者自身も述べているが、書店で「認知症」関連の本を探しても、多くは「認知症予防のために」の内容が多く、認知症になった後の本人や家族が如何に生きるべきか、というものが少ない。 「○○を食べて認知症予防」「○○運動でボケ防止」と言ったいわば認知症を対岸の火事として、あるいはまだ来ぬ脅威として、さらには商売のネタとして扱っているように思える。時間はかかるだろうが、このような本を読み、また紹介することによって世間の理解が進み、少しでも認知症の方々が生きやすい社会になっていくことを期待したい。 2018/09/20
Honesty
4
認知症はボケた人で何もわからない人なのか?そうではない。認知症は脳の病気で記憶障害を引き起こす。自分の記憶がなくなっていく恐怖。家族や人から指摘されることが多くなり、それは叱責ととらえられ、自信喪失、混乱、生きがいをなくす。何も変わらない。ひとりの友人として、意思を尊重し、本人が生きたいように周りの人が、地域の人が支えていけば良い。認知症だからといって、社会のお荷物ととらえるとか、人間扱いしない偏見こそが根本的な病理。誰しもが当事者になりえるからこそ、正しく学び、偏見をなくさなければならないと強く思う。2015/11/26
犬養三千代
1
長生きはリスク‼2016/03/22
ときわ
1
今、認知症予備軍がいっぱいいるとかどうやったら予防できるとかの情報が注目されてるけど、すでになっちゃってる人達にはその情報は逆につらいものがある。いいじゃない、認知症でも。それを受け入れたあとに自分らしく生きる道があるよ!という力を与えてくれる本だと思う。認知症になるのはいやだ、何とかならない方法はないかというより、一緒に生きようとする方法を探すことの方が大事だと思った。2015/11/16
okatake
0
昨年1年間、毎日新聞で連載された記事を編集した本。今年新たになった新オレンジプランなどを加えている。ここ数年で認知症に対する取り組みや捉え方は変わっていると思うけど、でもまだまだ情報に踊らされ、負のイメージばかりが一人歩きしている感は否めない。良いことも悪いことも両方を正確に伝えるマスメディア・新聞の役割は認知症に関することでも大きい。2015/11/28
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