内容説明
がんが再発して闘病中の著者が、自らの命の危機と、自由と平和を失った日本の病を同時に見つめ、国家の強制にとらわれない、至高の不良としての生き方を語る。
目次
第1章 生きるということ(生きるということ;生への願いを込めて、「夜の歌」を聞く)
第2章 平和に生きる権利(ナンパで不良でエロスな反戦を;戦争への甘美な復讐―わが人生を語る ほか)
第3章 異端として生きる(異端という名の自由;梁石日と異端の世界性 ほか)
第4章 人生に必要な芸術ベストテン(日本文学ベストテン;世界文学ベストテン ほか)
第5章 至高の不良たち(なかにし礼と12人の女優たち;日本の宝「勧進帳」 ほか)
著者等紹介
なかにし礼[ナカニシレイ]
1938年中国黒龍江省(旧満洲)牡丹江市生まれ。立教大学文学部仏文科卒業。在学中よりシャンソンの訳詩を手がけ、その後、作詩家として活躍。日本レコード大賞、日本作詩大賞ほか多くの音楽賞を受賞する。2000年『長崎ぶらぶら節』で直木賞受賞。2012年3月食道がんであることを発表。心臓疾患のため長時間の手術に耐えられないことから先進医療の陽子線治療を選択し、がんを克服、11月から仕事に復帰した。2015年3月がんの再発を明かし、闘病生活に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
22
私は絶えずがんの再発を恐れていた(8頁)。TVで拝見する著者の物言いには関心を持っていたので借りてみた。9年前も母親が訴えていたように、著者も寝ると背中の手術跡が当たるので痛くて眠れない(18頁)としている。術後も苦しんだので、母にも成仏してほしい(お盆前の11日記す)。注意深く耳をすます。翼賛の歌、戦意をあおる歌が流行しますよ(29頁)と。桑田佳祐さんの紅白パフォーマンスを受けて。戦後レジーム脱却→軍国主義の復権(59頁)。世界語:世界中の人間が理解できる言葉(100頁)。2015/08/23
Book Lover Mr.Garakuta
10
人生とは何ぞやとみつめなす機会を与えてくれる本2019/10/06
たま
3
著者がぎりぎり思うことを記し伝えようと乱雑ながら伝わる。2015/08/10
よし
2
生きる確率はほとんどないガンの手術から奇跡的に生還できた後の、エッセイ。「生きるということ」は、自らの命の危機を乗りきったからこそ書けた。2022/02/04
一彩
2
「戦争は,それを経験しない人たちにとっては時には美しくみえるものである」 うーーーん困った2016/03/15