内容説明
いま生きている東京。失われてしまった東京。小説や映画が描いた東京。記憶のなかの町を訪ね歩き、歴史といまを語り尽くす。著者のみがなし得る、東京エッセイの究極。
目次
恋文横丁―渋谷区道玄坂二丁目
都電・旧西荒川停留所―江戸川区小松川二丁目
板橋のガスタンク―北区滝野川五丁目
築地川―中央区銀座・築地など
東急文化会館―渋谷区渋谷二丁目
森ヶ崎―大田区大森南四、五丁目
勝鬨橋―中央区築地六丁目
迎賓館―港区元赤坂二丁目
水上生活者―中央区日本橋箱崎町
稲荷橋―中央区八丁堀四丁目〔ほか〕
著者等紹介
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年、東京生まれ。東京大学法学部卒。評論家。1991年『大正幻影』(新潮社)でサントリー学芸賞、1996年『荷風と東京』(都市出版)で読売文学賞、2003年『林芙美子の昭和』(新書館)で毎日出版文化賞、桑原武夫文学賞、2012年『白秋望景』(新書館)で伊藤整文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わんこのしっぽ
12
昭和30年頃を境に東京の町並みは激変したんですね。あまりの変貌ぶりなので、正直読んでいてもピンときませんが、迎賓館が国会図書館として使用されていた記述には心惹かれました。豪華絢爛な中での読書♪体験してみたかった~(*´∇`*)2013/01/02
kuukazoo
5
過去の文学作品や映画の中に残る東京の「今は消えた風景」80件。壊されてしまえばもうそこに何があったかもいつ消えたのかも思い出せない。変化の激しい東京なんて尚更である。新書サイズの東京マップの其処此処に付箋を貼りながら読んだ。東京が水の町だったことに改めて驚く。それにしても引用される本が多岐にわたっており読書欲を大いに刺激される。鮎川哲也を読み返したい。荷風も。2014/09/11
Norihiko Shr
2
東京の各所を映画を中心としたエッセイで綴る。面白い。2014/04/06
いのふみ
1
さらっとした語り口だが、数々の土地、特に馴染みのある土地の由縁を知って、その時代を知らなくてもなぜだか懐かしい気持ちになる。こういうものは誰かが残しておいてほしいものだ。2022/04/04
しゅんしゅん
1
失われた東京の景色に関する随筆。読んでいると、かつての東京の姿が目に浮かぶようだ。川本氏の随筆は味わい深い。2016/02/11