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振り子で言葉を探るように

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  • サイズ B6判/ページ数 432,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620320878
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

内容説明

再生装置である「私」の数だけ本は存在する―。三百冊の本。数多の書き手と著者の言葉が響き合う幸福な書評集。

目次

人と人との出会いの火
開かれた迷いの跡
幸せな不意打ち
夢想の上下運動
海風にあおられて
本をめぐる断章
活字の函船
未来によみがえりうる言葉
読むことが、愛すること
出発の音、母なる音
遅れて採取された蜜
希望を宿した青い闇
不完全ないまを逃れて

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1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
堀江さんの2002年に出された「本の音」に続く書評集です。今回は2002年から2012年までの様々なメディアに発表された書評をまとめたものでかなり多く収められています。12の分野に分かれていますが、新しいものばかりではなくかなり古い作品の書評もあります。とくに和辻哲郎の「風土」や白洲正子の「十一面観音」などは私も読んだことがあり再読しようという気にさせてくれます。また日本文学がらみで一冊3行くらいと短いのですが文庫本五十冊の書評もあります。楽しめました。読みたい本が増えました。2022/12/27

踊る猫

23
堀江敏幸の立ち位置は語弊がある言い方になるのだけど、外様というか素人なのだと思う(カッコよく言えば「愛好家(アマチュア)」である)。専門的な知識をひけらかさず、それでいて豊富な読書体験を活かす……「矛盾してるやん」と言われそうだが、彼の実感に即して知識を披瀝しているのであり、知識をひけらかして文章をこねくり回すのとは別だ。その実感は彼の生活から匂ってくるものであり、それは『おぱらばん』『熊の敷石』などで見られた小説とも通底するものなのだろう。つまり、この書評集は『河岸忘日抄』的な散文の冒険とも言えるのでは2021/10/24

踊る猫

21
マイルドな書評集だと思う。堀江敏幸の声は決して大きくない。これ見よがしにレトリックを見せびらかす趣味はない。だが、注意深く読めばトゲを隠し持った書評集であるとも言える。小技が効いているというか。ここに集められた書評を読むと、卒のない(しかし「無難にまとまっている」というのとも違う)プロフェッショナルの技を感じさせられる。どんな本と遭遇しても焦らず、自分なりの誠実な読み方で対峙する。だから意地悪く言ってしまえば、金太郎飴のようにどんな書評も堀江印であり印象が変わらないとも言える。評価はそのあたり別れるはずだ2021/06/14

踊る猫

6
全く贅沢な書物だと思った。下品な話をすると値がそれなりに張る本なのだけれど、装丁が実にデリケートに出来ていて手元に置いておきたいという誘惑に逆らえなかったのだ。もちろん中身も相当に贅沢で著者の博識は嫌味になることなく披露され、対象となる本に真摯に向き合うスタンスが信頼出来る。どんな本からも美点を見い出し(逆に、悪く言えば本書には「毒舌」や「放言」の面白さはない)細かい音まで聴き逃さないようにするやり方は、もちろん私は素人の読者でしかないのだけれど、真似たいと思わずにはいられない。本当に頭が下がってしまった2016/07/19

kankoto

4
堀江さんの文章を読んでいるのが心地よくてつい平坦に読み進んでしまった気がする。堀江さんがあとがきに書かれているように、そして本のタイトルにもなっているように言葉の水脈を探るように本に向かい合って読むべきなんだろう。 でもやっぱり書評を読むのは楽しい。何冊か読みたくなってポチリとしてしまった。2012/05/04

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