大森実伝―アメリカと闘った男

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620320434
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0036

出版社内容情報

88歳で生涯を閉じた、戦後日本を代表する国際ジャーナリスト大森実。ベトナム戦争中ハノイに西側記者として初潜入した「記者魂」に迫る。

内容説明

一九六五年九月二十三日。大森実は、西側記者として初めてベトナム戦争下のハノイに入った。世界的な快挙の後に待ち受けていたのは、その報道を批判するアメリカとの闘いであった―。「エンピツ一本」。現場にこだわり、アメリカに真っ向勝負を挑んだ国際ジャーナリストの実像に迫る。渾身のノンフィクション。

目次

第1章 四十五年ぶりのハノイ(ハノイに到着;地方を見にナムディンへ;遂にハンセン病院へ)
第2章 国際ジャーナリストの誕生(神戸と国際性;神戸高商時代;ジャーナリストへ;大阪ジャーナリズム)
第3章 泥と炎のインドシナ(特派員として;ケネディ勝利を速報;帰国;米ジャーナリストとの出会い;連載スタート;不完全燃焼の思い;ハノイへ;ライシャワーの名指し批判;ニール・シーハンの考え;朝日との分断作戦)
第4章 アメリカへの愛憎(愛する編集局を去る;良質紙の立ち上げ;洋上大学成功;長嶋茂雄へ五輪を解説;オブザーバー解散;たった一人の愛弟子の死;ライフワークへの挑戦;政界からの誘い;サムライの死)

著者等紹介

小倉孝保[オグラタカヤス]
1964年、滋賀県長浜市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。1988年、毎日新聞社入社。大阪本社社会部から外信部、カイロ、ニューヨーク各支局長を経て2010年4月より外信部副部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ででちゃん

15
アメリカが好きなのに、そのアメリカと闘う。 この国のジャーナリズムがアメリカからの支配や抑圧に抗しきれないのは、構造上、必然かもしれない。 ライシャワー大使による大森のヴェトナム報道批判も、結果的には、当事者二人に荷を負わせただけに終わったような。 改めて、力の怖さを想う。  ただ、この愛すべきやんちゃ坊主のような大森は、アメリカの懐の深さを愛し、本質を見極める姿勢を評価していたのだと思う。 まさに、二律背反。  個人的には、ものすごーく同感。2014/06/11

メルセ・ひすい

2
14 西側記者として、ベトナム戦争下のハノイに入った大森実。世界的な快挙の後に待ち受けていたのは、その報道を批判するアメリカとの闘いだった…。アメリカに真っ向勝負を挑んだ、国際ジャーナリストの実像に迫る。2011/04/03

じむくろうち

1
学生時代にあこがれの記者だった大森実のこれまで知らなかった一面が描かれていて興味深かった。毎日新聞はリベラルな新聞社だが大森実にしろ、外務省機密漏洩事件の西山太吉にしろ、権力に屈して自社の記者を守れなかった情けないところがある。じゃあ、他の新聞社が守れたかといわれれば、守れないと断言できるが。大胆かつ繊細に、偉い人におもねらない、施しを受けないなどいくつかのヒントをもらった。2014/05/23

うめけろ

1
この業界に詳しくないので、大森氏がどれほど凄かったかという実績についてはそんなには伝わってこなかった気がします。それよりも、この人の物の考え方や行動に対して感銘を受けました。確かに、自分を含めて事なかれ主義の時代になってしまっているし、職場で嫌なことがあるとすぐにめげるし。反省しきり。他者と意見を闘わせてこそ生まれる成果を避けてるよなあ・・・。2012/02/14

sasha

0
ライシャワーの名指し批判の元になった、米軍による病院爆撃の検証の旅は大森の記事の正しさを証明した。この人が新聞社を追われずにいたら、日本の新聞報道は今と違ったものになっていたかも?なんて考えてみる。2011/10/08

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