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内容説明
可能性としての68年。歴史の転換点を国内外の視点から再考する、文化論の集大成。
目次
1968年の日本文化に何が生じたのか
1958年から1968年へ―ジャズと文化人の関係を中心に
美術家の「表現行為」1968‐1970―“万博破壊共闘派”を中心に
荒野のラオコオン―写真・1968・夏
土方巽―はぐれた肉体
大学生、機械を壊す―表現するラッダイトたち
文字の叛乱―「ゲバ字」が持つ力と意味について
1968年のドキュメンタリー映画最前線
六八年の文学
制度としての「在日朝鮮人」―外部から内なる他者へ〔ほか〕
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
明治学院大学文学部芸術学科教授。映画史、比較文化論
平沢剛[ヒラサワゴウ]
映画研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
原玉幸子
2
私にとっては生れてはいても実感のない「1968年という時代」の論考集です。映画、絵画、演劇、音楽を含めた文藝全般、そして文学、思想、活動としての左翼などを、「戦後」や「昭和」との言葉で括ってしまうのも詮無い気もします。何より関わった人達のエネルギーが時代を作ったとの痕跡が解る様で、論考其々は(特にモダンジャズ、大江三島の文学、大学紛争や在日他の思想行動等で)あぁそうなんだとの納得と興奮があり、そして、その後のシラケて隷従盲従受動的に生きている我々世代に反省を促すメッセージでした。(◎2019年・冬)2020/04/24
メルセ・ひすい
2
14-17 赤23 もはや歴史的? 2010-1968≒40年間前 ‘68に拘る?いや60年代です。。神格化されたカリスマ的人物(+_+)のヴァナキュラーな言説。執筆は13名、文芸・舞踏・美術・ドキュメンタリー映画・ジャズなど文化の雰囲気に焦点(°∀°)b (1950年代後半から70年代前半までを含む)(≡^∇^≡) 2010/11/11
まんだよつお
1
編者の一人、平沢剛は本書について、小熊英二『1968』では無視された「文化」論を媒介に、新たな68年の可能性を模索するために企画したと述べている。こうした意図の下、複数の論者が得意とするジャンルで論を展開しているが、平井玄のものが一番面白かった。街頭蜂起における野次「馬」と、彼らを取り締まる国家の番「犬」。「馬」と「犬」の視点から描かれた群衆論は秀逸。惜しむらくは文章のみで挿図が皆無のこと。当時を知らない世代のイメージを喚起するためにも欲しかったなぁ。2011/05/11
JunTHR
0
面白かった!!!「ここに収録された論考が執筆されなかったとしたら、こうした人々は一九六八年という公式的な物語に登場することはなかっただろう」「ここに集められた論考は、いかなる制度的学問からも保護されない地点で、記憶と歴史の抑圧的力学に対し、小さな、そして無数の巣穴を開けている」という言葉に、大きく頷く。自由に、そして力強く書かれた論考が、自分は全く知らずにいた68年の諸相を見せてくれた。表現としての「ゲバ字」、表紙にも使われ度々言及もされる中平卓馬、『圧殺の森』の制作の過程などが、特に印象に残る。2014/05/16
いなお
0
散漫2014/01/04