出版社内容情報
華やかなクジャク、鮮やかな紅色の鶯、人の秘密をささやいてくれる鳥をはじめ、薄い翡翠色の目をもつ猫、狩人がねらう謎の猛獣、さらに、犬や蛇、亀など、世界各地の動物にまつわる、不気味で不思議な物語9篇を収録。妖しくも美しいカラーイラストが作品を彩り、時空を超えた恐怖の世界へといざないます。読んで、絵を鑑賞して、物語の怖さを二度味わえます。
『妖花魔草物語』につづく、廣嶋玲子×まくらくらま作品第二弾!
内容説明
クジャク、猫、鴬、犬、ささやき鳥、鹿人、蛇、黒狼、亀、妖しきものたちの物語に、人は心を囚われる。
著者等紹介
廣嶋玲子[ヒロシマレイコ]
横浜生まれ。第四回ジュニア冒険小説大賞の『水妖の森』(岩崎書店)でデビュー。『狐霊の檻』(小峰書店)で「第34回うつのみやこども賞」受賞
まくらくらま[マクラクラマ]
「埃臭い画」をテーマに、デジタルとアナログを併用しながらヨーロッパアンティークを彷彿とさせる作品を制作している。フェリシモやWB(ハリー・ポッター)との商品コラボ等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおい
14
噂を囁くささやき鳥、紅色の鶯、魅惑的な鹿人の女…最初から妖しかったのか人が獣を妖しく変えたのか。イラストも素敵なダークファンタジー。「王女とクジャク」「ささやき鳥」が印象的でした。2025/06/05
高宮朱雀
13
児童文学とは思えないアングラな物語が多く、先日読んだ妖花魔草物語よりも陰惨な印象で、すんなり合点の行くモノは皆無…。 人の心の闇と病み、キリのない欲望の行き着く先の破滅など、子供のうちから身の丈に合わない事はしない、足るを知るを教える意味では、まぁまぁ理解が出来る話と言ったところ。 また、せっかくの挿絵が帯に短し、襷に長しな為、後もう一歩の物足りなさが惜しかった。2025/06/09
バニラ風味
12
美しい装丁。そして、毒があったり、ヒヤッとするお話たち。さいごのカメに救われる話に、こちらが救われた。2025/05/26
hannahhannah
9
『妖花魔草物語』の廣嶋玲子によるダーク・ファンタジー。今回もイラストは、まくらくらま。前作も子供向けとは思えないくらいエグい内容だったが今回の狂気度、残虐度はそれ以上。容赦なく後味悪い話が多い。欲望、復讐、妄執、恐怖の臭いが立ち込めている中、最後の話は救いがあった。2025/05/28
Mayuko Kamiwada
5
『妖花魔草物語』に続く第二弾の作品。9編の動物にまつわる不思議な物語。人の欲には底がなく、時には手に入れたいという気持ちを抑えることができないこともある。様々な時代や国が舞台となり、登場人物たちが珍しい動物たちを手に入れようとする。きっと知らなかったり、目にしなければ自分の欲望に潰されることはなかっただろうと思いながら読み進めていった。2025/06/10