出版社内容情報
華やかなクジャク、鮮やかな紅色の鶯、人の秘密をささやいてくれる鳥をはじめ、薄い翡翠色の目をもつ猫、狩人がねらう謎の猛獣、さらに、犬や蛇、亀など、世界各地の動物にまつわる、不気味で不思議な物語9篇を収録。妖しくも美しいカラーイラストが作品を彩り、時空を超えた恐怖の世界へといざないます。読んで、絵を鑑賞して、物語の怖さを二度味わえます。
『妖花魔草物語』につづく、廣嶋玲子×まくらくらま作品第二弾!
内容説明
クジャク、猫、鴬、犬、ささやき鳥、鹿人、蛇、黒狼、亀、妖しきものたちの物語に、人は心を囚われる。
著者等紹介
廣嶋玲子[ヒロシマレイコ]
横浜生まれ。第四回ジュニア冒険小説大賞の『水妖の森』(岩崎書店)でデビュー。『狐霊の檻』(小峰書店)で「第34回うつのみやこども賞」受賞
まくらくらま[マクラクラマ]
「埃臭い画」をテーマに、デジタルとアナログを併用しながらヨーロッパアンティークを彷彿とさせる作品を制作している。フェリシモやWB(ハリー・ポッター)との商品コラボ等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
58
ページをめくると、ヨーロピアンアンティーク調の美しくも怪しげな装丁イメージそのままの9つの物語が繰り広げられる。妖鳥の翼、魔獣の爪を持つものがほくそ笑みながら密かに獲物を狙ってる。傲慢で愚かな人間にはそれ相応の報いを。ホッとする結末「ささやき鳥」可憐で残酷な「鹿の踊り子」かしこい友が危機を救う「親友」が良かった。鹿嶋さんらしい児童書だけど容赦ないダークファンタジー。2025/10/16
アーちゃん
47
2025年発行。プロローグ、エピローグに挟まれた9編の短編集。文章巧者、廣嶋玲子さんの物語にまくらくらまさんの華麗なイラストが何と合う事か。クジャク、猫、鶯、犬に鳥と洋の東西と時代を問わず動物たちが織りなす残酷なお話は児童書なのにかなり怖い。特に終わりが救われない「母親と猫」はヒッチコックばりの恐ろしさ。逆にラスト「親友」の結末にはホッとした。2025/11/06
がらくたどん
43
廣島さんの「妖魔物語」第2弾は花草から転じて「鳥獣」に。花草版も「植物系」なんて油断できない妖魔力の連発だったが、本作は血肉伴う生き物たちによる「動物系」のやや生臭い鼓動を感じる妖魔エネルギーが襲い掛かる。孔雀に猫、鶯に犬と現実の鳥獣の怪を楽しんだら後半は廣島さんお得意のより幻惑的な妖魔の世界へ。読むほどに目の前にいる生き物たちも「本当は?」なんて疑いたくなるかも。8話目の「闇の狩人」で極まるが、本作もラストは丁寧に平らかな世界に着地させてくれるのは流石で、これでこそ児童書だよ!まくらさんの挿絵も絶好調♪2025/11/17
tan
27
前作の「妖花」もなかなかだったけど、こちらも負けないくらいのおどろおどろしい感じ。動物に惑わされているようで実は背後で人が操っているという、本当に恐ろしいのはまさに人間ということですね。どれも最後は悲惨な結末ですが真ん中に「ささやき鳥」が掲載されていて、これだけは思いとどまることが出来てハッピーエンドにホッと一息できる。全部がドロドロだったら読んでいて辛くなるかも知れないけどさすが廣嶋玲子さん上手い構成だと思いました。2025/09/18
takaC
23
先に読んだ妻は児童書としてはどうかと言っていたが、この終わり方をして児童書というのではないだろうか。2025/12/08




