内容説明
米原万里的、ワンダーランド。絶筆の連載。究極の温暖化対策から日本人男性の誇りと自信向上計画、イビキ防止器具まで―この世の、あらゆる難問を解決する一一九の発明。
目次
夢送り込み装置
男女共同参画的便器
寿命倍増プログラム
サバイバルマニュアル
予測登録基金
発明王の最後の発明
何でもハイブリッド
モグラ型シェルター
ガキリンガル
世界は一つ人類は皆同胞戦略〔ほか〕
著者等紹介
米原万里[ヨネハラマリ]
エッセイスト、作家、ロシア語同時通訳。1950年東京生まれ。59~64年、在プラハのソビエト学校に学ぶ。東京外国語大学卒。東京大学大学院修士課程修了。ロシア語の通訳、翻訳に従事する。92年、テレビの同時通訳により正確で迅速な報道に貢献したとして日本女性放送者懇談会賞を受賞。95年、『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店・新潮文庫)で読売文学賞、97年、『魔女の1ダース正義と常識に冷や水を浴びせる13章』(読売新聞社・新潮文庫)で講談社エッセイ賞、02年、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2006年5月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
21
ブックオフで発見、米原万里さんはほぼ網羅したと思ってたら、これはサンデー毎日に連載してた、時事色の濃いエッセイで癌で闘病しながら継続してた仕事の一つで絶筆となってしまいました。最終掲載日が6年5月21日号で亡くなったのが25日でした。これが親本で毎日新聞社から、その後文春文庫から出てます。イラストの新井八代とは万里さん本人との事。米原さん独自の世の中をユーモア交じりに楽しく良くする方法を伝授するエッセイと言いつつ、時の小泉政権、ブッシュ、アルジャイラ等を激しく非難。全部を収録493頁の分厚さ。痛快無比。2024/10/05
はる
11
亡くなって18年になるのか〜、米原さんがテーマとする世界がその後もいっぱい展開しているのに惜しいな。絶筆となった2006/5/21「国際化時代に最も不向きな対立回避症克服方法」をサンデー毎日に読んで4日後のこと。何の番組名だったか忘れたけれど印象を残しているのはロシア語通訳の場面やコメンテーターかな。エッセーとは違って言葉を選び選び、ちょっぴり鼻に抜けるようなふっくらとした声でハッキリ喋っていたのを思い出す。→2024/08/16
愛玉子
7
よくもこう次から次へとクダラナイ…おっと失礼、スバラシイ発明品を思いつくものだ。その発想の豊かさに圧倒される。分厚い上にニ段組、ちょっとびっくりするくらいのボリュームだが、一話ずつは短いのでつまみ食い的に読むのが楽しい。味のあるイラストを添えているイラストレーター、新井八代(アライヤヨ)さんはご本人というのも凝っている。非常にエネルギッシュな方だったんだな…。2009/09/08
イータン
6
まるで辞書かと見紛う程の厚さ! 一度に読むのではなく、一つ一つのコラムを時間をかけて読みたかったのだが、図書館から貸し出した本だっただけにそうもいかず。小泉の悪政時代に書かれたエッセイ。小泉が残した負の遺産にあえぐ現代を、米原万里ならどう切ったのか。2010/06/13
ロピケ
4
米原さんが発明の分野に手を染めていたとは知らず、図書館で見つけた時にはびっくりしました。よくもこんなに沢山思いついたものだ。米原さんの頭の中はぎゅうぎゅうに詰まっていたんですね。本当にあったら良いのにと思うもの、どうでも良いものだけれど、笑えるもの、今にも誰か実用化できそうなものなど、いろいろな視点から提案されている。ブッシュと小泉さんはさんざん笑い者として登場。今の時点の二人、存在感ないなあとふと思い出す。ユリさんのあとがきも良かったです。2011/06/17




