内容説明
ペットブームの裏側で年間およそ40万匹の犬猫が見捨てられ、“ドリームボックス”と呼ばれる殺処分装置に送られている―。大宅賞作家が描く“ペット大国”ニッポンの現実。
著者等紹介
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968年、長野県生まれ。明治薬科大学在学中の1992年2月、奄美・沖縄に生息する毒蛇『ハブ』の血清造りに心血を注いだ医学者・沢井芳男を描いた『毒蛇(どくへび)』(TBSブリタニカ)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。1999年4月、佐渡で終戦直後からトキの保護に尽力した在野の男たちを描いた『朱鷺(トキ)の遺言』(中央公論新社・中公文庫)で、第30回大宅壮一ノンフィクション賞を同賞史上最年少で受賞(=当時)。信州大学経済学部卒。明治薬科大学非常勤講師(生薬学担当)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみきーにゃ
43
《購入》動物愛護センター職員の葛藤が痛いほど伝わってきた。犬や猫、動物は人間の言葉がわからなくても、これから何が起こるのかや優しさや愛情はわかると思う。簡単に自分の家族を手放す人、捨てる人、虐待する人、そんな人がこの世から一人でも減ることを願わずにはいられない。2014/03/04
たまきら
28
ドリームボックスについて娘に話したら、どうしても実物が知りたいという。この辛い本は発売されてすぐ読んでいたので、巻末に実際に写真があることを覚えていた。借りて説明する。「ああ、そういうことだったんだ」と自動追込み装置に納得。どんなに説明しても「わからない」と言っていたのになあ。2019/08/17
mari
7
ドリームボックス、それは殺処分するための箱。スイッチを押したら捨てられたペット達が窒息死する箱。捨てるのは人間。殺されていくペット達。2012/11/18
書の旅人
5
古本屋でこの本と出会った時、怒りでいっぱいだった…。「なんだ!?“ドリームボックス”って…」殺処分機の通称が、こんな名とは…。読み始めて、眠るが如く逝ってほしいという気持ちから付けられたと知り、やり場のない怒りから、その先へ進む事は出来なくなった。それから数年、現状を知りたくて沢山の関連本を読むうち、その犬たちの生きた証しを知りたくて、読むようになっていた。だからだろうか…。時折、こちらから見た鉄格子や、迫り来る壁を見ている気がするのは…。繋がれた犬たちは…、閉じ込められた動物たちは…、こんな光景を見てい2016/03/03
good speed
5
ペットブームの裏で年間30万頭以上の犬猫が殺処分されている日本。中には「最後を看取るのが辛いから」という理由で保健所に連れて行く馬鹿もいるらしい。ここで行われているのは安楽死などではなく、二酸化炭素による窒息死。体力のある子等はまだ息のあるまま焼かれる。まずは大人がこういう事実から目を逸らさずに知ってほしい。そしてきちんと考えてほしい。私はペットショップに行くと悲しくなる。2013/02/10