内容説明
破獄のヒーロー・白銀屋文七の生の痕跡を、維新革命、西南戦争、自由民権運動と揺らぐ明治の時代相のなかに追う。「監獄」化という一大プロジェクトによって近代国家体制をうち固めようとする権力に反抗し、獄を破り始原の自由を夢見た逸脱者たち。その情熱を甦らせる、ラジカルな明治社会史。
目次
前奏 明治十年、前橋の凶賊
第1章 白銀屋文七、西南戦争に感応し、大破獄騒ぎを起す
間奏 西郷隆盛の光芒
第2章 倉田利作、悪党に転生して脱獄、宿怨を晴らさんとする
第3章 自由民権運動家・玉水常治、獄を破り、乞食道に精進する
間奏 川路利良と陸奥宗光
第4章 白銀屋文七、開拓地・北海道で語り部となる
後奏 白銀屋文七、明治の夕景を走りに走る
著者等紹介
朝倉喬司[アサクラキョウジ]
1943年岐阜県生まれ。早稲田大学文学部中退。『週刊現代』記者を経てノンフィクション作家となる
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