内容説明
イタリア全土を恐怖で支配してきた新興マフィアのボス、トト・リイナによって、次々に「華麗なる殺人」の犠牲者となる司法関係者たち。それに対抗し、ファルコーネ検事とボルセリーノ検事は、「マフィア大裁判」を実現、マフィアとイタリア政界との癒着構造を暴き出していった。だが、勇敢なる2人の検事もダイナマイトによる暗殺の犠牲者に…。血塗られたマフィアの戦後史。
目次
マフィアの誕生
ヘロイン密輸事件
マフィア抗争の始まり
血の絶滅作戦
交換殺人
二つの世界を股にかけたバシェッタ
ザ・コミッション
ヘロイン密売チャンネル
パンドーラの箱
死の部屋〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
12
ただの体育会系の延長線だよね。名誉ある死を!って言って、爆弾をもって突撃するのと違いがわからない。法律を作った国家権力がマフィアとの違いがない。権力は腐敗する。だって誰でも甘い汁を吸いたいから。でも機械がみんななんでもやってくれて、甘い汁吸い放題になったら人間は自殺するのだろうか?全部AIによる、あるいは悪い神によるいたずらだったら?信じる者は救われる。考えるものは救われない。ただ信じなさい。2021/07/02
ルヴナン
1
イタリアのマフィア大裁判顛末記。二人の勇敢な判事がシチリアに赴任し、マフィアのボスを数多く投獄し、殺される。二人の死に衝撃を受けたイタリア国民はマフィアとの決別を誓い、首相に据えられたベルルスコーニがマフィアとの戦いを宣言し本書は幕を引く。その後はどうなったか。マフィアそのものであったバルルスコーニは何もすることはなく、マフィアはEU拡大に乗じてヨーローッパに広く深く根を張った。イタリアの問題は悪への寛容と力への盲従だ。民族の抱える宿痾は癒やし難い。翻訳は劣悪。2016/01/12