内容説明
後漢の光武帝から倭の奴国王に授けられた金印は、なぜ志賀島に隠匿されたか。奴国から邪馬台国へ―北九州を舞台に展開された壮大苛烈な古代のスペクタルを、文献と考古学的事実で復元する。
目次
1 金印の出現
2 奴国の落日
3 矛・戈・剣の変遷
4 邪馬台国時代の矛・戈・剣・刀
5 「西新式時代」の設定
6 鏡の変遷
7 三角縁神獣鏡の謎
8 鏡の埋納と邪馬台国の東遷
9 奴国の都
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
1
「倭国大乱」の真相を追求する力作。安本氏は大方文献によって古代史にアプローチすることが多いが、この本は大半が考古学に基づいて書かれてある。私を含めて考古学的知識に疎い読者にはやや重いかも。タイトルの如く、奴国は邪馬台国に滅ぼされたという枠組み。それ自体は興味深い。しかし、時系列としてどのような状況が奴国を滅亡へと追いやったのかの核心部分が、今少し判然としない。奴国も邪馬台国(倭国)もいずれも金印を下賜された国である点にもっと切り込めば良かったのかも。30年近く前の本。その後の考古学的知見との整合性は?2007/06/30
Gen Kato
0
「漢委奴国王」の金印をはじめに、矛・戈・剣・鏡などの出土品から北九州「倭国」をさぐる考察。個人的には、安本先生の古代史本はいちばん取っつきやすく説得力がある。2013/09/21