毎日文庫<br> 歴史の本棚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784620211053
  • NDC分類 019
  • Cコード C0195

出版社内容情報

読む前と後で、風景が違って見えてくる。東大名誉教授の著者が研究書、小説、ノンフィクション、エッセイ、写真集などを読み解く。書き手たちは何を見つめ、どのように時代を描いたのか――。歴史学者ならではの鋭い洞察に導かれる読書案内。文庫化にあたり新たな20篇を収録。


【目次】

内容説明

読む前と後で、風景が違って見えてくる。「日本近現代史の泰斗」にして「本読みの名手」とも称される歴史学者による、刺激に満ちた書評集。研究書、小説、ノンフィクション、エッセイ、写真集まで、多彩な本を鮮やかに読み解く。世界は日本をどう見ていたのか―。歴史家の「問い」が全篇を貫く。文庫化で増補し、全77篇を収録。

目次

1 国家 国家の役割―個人のために国家は何をなすべきか(軍隊の本質を普遍的な視野から語る 『神聖喜劇』全5巻 大西巨人=著;明治の教育、弾力性の奇跡を支えたもの 『近代東京の私立中学校 上京と立身出世の社会史』武石典史=著 ほか)
2 天皇 天皇という「孤独」―戦後史からひもとく天皇の役割(暗澹たる時代を「短歌によって生きていた」 『歌集 形相』南原繁=著;若き魂をいかに鎮めるか 『死者の書 身毒丸』折口信夫=著 ほか)
3 戦争 戦争の教訓―人は過去から何を学び取ったのか(「政治的人間」を見つめ続けた強さ 『戦争』大岡昇平=著;地を這う蟻の視線で戦地を描く 『戦線』林芙美子=著 ほか)
4 歴史 歴史を読む―不透明な時代を生き抜くヒントを探す(歴史の必然に爪を立てる 『考えるヒント3』小林秀雄=著;共産党軍の”黎明”から現代中国を考える 『中国革命と軍隊 近代広東における党・軍・社会の関係』阿南友亮=著 ほか)
5 人物と文化 作品に宿る魂―創作者たちが遺した足跡をたどる(筆一本で自分の命をつないだ知性 『わが異端の昭和史』上・下 石堂清倫=著;戦時下、虚無思想の力で雑念を封じる 『わが青春無頼帖』柴田錬三郎=著 ほか)

著者等紹介

加藤陽子[カトウヨウコ]
1960年、埼玉県生まれ。1989年、東京大学大学院博士課程修了。山梨大学助教授、スタンフォード大学フーバー研究所訪問研究員、東京大学教授などを経て、2026年から同大学名誉教授。専攻は日本近現代史。2010年、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)で小林秀雄賞受賞。『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』(朝日出版社)で紀伊國屋じんぶん大賞2017受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coldsurgeon

7
歴史学者である著者が、戊辰戦争から第2次世界大戦終結ごろにかけて、日本が世界からどのようにみられていたのか問い立てして、書評した書籍群が挙げられている。過去を顧みようとしない人に、歴史が自覚されるときは来ないと、記されるように、すべての歴史が現代史そのものであろう。過去を語ることにより未来を創出するのが、歴史であれば、幼き孫たちの時代のために、歴史を学ぶことは重要だ。「だました政府の悪いことはもちろんですが、しかし騙された私たち国民には罪はないだろうか」という戦後の一市民の言葉は重い。2026/09/03

huchang

5
著者と同姓同名の知り合いがとても強烈で、同じ名前を聞くとつい笑ってしまう。名前と正しいイマジネーションは重要なのだ。歴史学の重要な役割のひとつが、歴史を名付けることだ。名付け後も、歴史から異議申し立ての声を聞く者たちがいるから役割は重要なままだ。歴史からの声でなく、現在の我らのむやみな大声を「歴史」の声と混同してはいないか。大部の書評をみるたび、学びを止めるわけにはいかんなぁと、もうひと頑張りしょっかと思わせてくれる。無数の加藤陽子さんからの異議申し立てを拾うべく、この本に巡り合ったのかもしれない。2026/09/09

akiu

2
日本の近現代史を専攻する歴史学者による書評本。冒頭から『神聖喜劇』だったので手に取った。書評の中身がとにかく濃い。短い文章の中に、言いたい事がものすごく詰まっていて、読み応えがある。読みたい本が増えました、といった軽い感じではなく、本書自体が深い洞察を含む著作物になっている。専門書が多いが、いくつかは読んでみようと思う。2026/10/26

コウジ

2
紹介している本は近現代史の専門書が多く、軽く手に取ることはないけど、いつか時間があれば読んでみたいと思う本ばかり。いろいろ調べながら読了2026/09/26

がんちゃん

1
知の深さを感じました。知とは知識の量のことではなく知らないことを探求するその行動のことだと何かの本で読んだことがありますが、加藤先生の読書日記ともいえる本書はまさに加藤さんの知の証しであり、探求する心の深さそのものだと思いました。それに加藤さんが紹介してしている本の著者たちもまた、時間と労力をかけて、それこそ一次資料を丹念に読み込み、ようやく知見にたどり着いたというような、まさに知そのものの研究者たちだといえます。そんな中で語られる歴史とは、本書で述べられているとおり、未来を見つめるということなんですね。2026/11/05

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