出版社内容情報
1986年春、二人の女がバブル前夜の福岡の証券会社で出会った。貧しい家庭に育ち、ともに2年後に上京する夢を温めていた佳那と水矢子は、やがて金の力を知り、”狂乱”に巻き込まれていく。
【目次】
内容説明
望月と結婚し念願の上京を果たすものの、家庭を顧みず仕事に没頭する夫に不満と不安を募らせ、享楽的な生活に流れていく佳那。一方、不本意な学生生活を送る水矢子は、アパートの人間関係に耐えかね、占い師・南郷の家に転がり込む。バブルに翻弄される三人の若者たちを待ち受けているのは、かつて夢見た“頂点”か、はたまた転落の運命か…。
著者等紹介
桐野夏生[キリノナツオ]
1951年生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年に『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の2賞を受賞。15年に紫綬褒章を受章。21年に早稲田大学坪内逍遥大賞、23年に『燕は戻ってこない』で毎日芸術賞と吉川英治文学賞、24年には日本芸術院賞を受賞。日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shun
29
上京し証券マンとして成り上がった望月の妻・佳那と貧乏故に働きながら貯金し東京の大学を目指す水矢子という性格が対照的な二人が物語の中心にある。成り上がるためにはどんな手を使っても稼ぐ上昇志向の強い望月の勢いに自然と付いていき結婚までした佳那だったが、仕事優先の夫と湯水のように使えるお金の魔力にあてられ次第に堕落してゆく。片や志望の大学に落ち仕方なく入学した私大での生活に満たされない水矢子。そしてバブルに翻弄された若者たち。救いがあるとすれば後世に教訓を残せたことだろうか。弾けて漸く気付く、とならないために。2026/02/10
conyTM3
10
バブルとともに弾けてしまった人々の物語。 東京で暮らすうちに変わってしまった人たち。 いや、時代が変わったのか。 調子に乗ると痛い目見るよという教訓めいた結末。 怒涛の破滅劇ではあるものの終始淡々としたストーリー。 最後はいろいろ明確になってスッキリはしましたけど。 慎ましく小さな幸せに囲まれて暮らすのが一番ですね。2026/03/17
てったん
4
桐野さんらしい小説で、ハラハラしながらも、先は読めるというか、なんだか悲しいお話でした。 バブル期は、こんな話はごろごろしていたんだろうなと思うと、お金とは?人生とは?考えられずにはいられませんね。2026/03/23
烏龍茶
3
Kindleで表紙を見間違えて下巻から読んでしまい、途中で気付いて上巻を買って読み直し。意外と下巻からでも読めてしまった。ストーリーは救いが無さすぎて辛かった。登場人物に因果応報な部分があるせいで振り切って同情できない部分も含めて救いがない。降りかかる理不尽を物語のガソリンにさせない桐野夏生のいじらしさに身悶えした。2026/03/16
小寅
3
上巻も凄かったけれど、怒涛の勢いの下巻の恐さ。誰もが知ってるバブルが弾けること。バブルの渦中に証券会社で働いていた人はこの本の中と似たようなことが起きた人もいるんじゃないかと思ってしまう。堅実な生活を送っていても、どこで足元をすくわれるかもしれない、恐さもあって、最後までドキドキしながら読み終えた。2026/02/23
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- 和書
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