出版社内容情報
現代日本文学における稀有な才能・阿部和重による至高のエンタメ巨編。
一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと<愛>の物語。
タイトルは「ブラック・チェンバー」(秘密情報部)と「チェンバー・ミュージック」(室内楽)をつなげた造語。
内容説明
大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り。四〇を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んだ“極秘任務”。「謎の雇い主ハナコと一冊の映画雑誌を探し出せ」―蠢く陰謀、ヤクザの抗争、明かされた女の正体に、横口は後戻りできないことを悟る。一触即発のリアルな世界を背景に繰り広げられるスリルと愛の物語。
著者等紹介
阿部和重[アベカズシゲ]
1968年、山形県生まれ。94年「アメリカの夜」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。99年『無情の世界』で野間文芸新人賞、2004年『シンセミア』で伊藤整文学賞・毎日出版文化賞、05年『グランド・フィナーレ』で芥川賞、10年『ピストルズ』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちぇけら
12
やってきた波にはのる。はじめは小さな波でも、沖に向かうとおおきな波になって横口健二を呑み込む。だらだらと続く会話も、回らない頭も、苛ついてゆく周りのひとびとも、横口健二の怠惰で頼りない性格をこれでもかと描き出す。つまり横口健二は阿呆なのだ。それでも魅力的で輝いてみえるのは、波に呑み込まれながらも、ハナコをたいせつに思う心があるからだ。ハナコが某国からの密航者であろうとも、それはハナコを好きにならない理由にはならない。海の中に沈んでゆくとき、たいせつなひとが海面からのぞく光だ。横口健二、手を伸ばせ。下巻へ。2024/11/21
ソラ
5
【読了】C 鬼判事・熊倉さんのキャラが好きで。2025/01/03
チバ
3
人気の作家だと思っていたが図書館の予約もあまり入っていなく不思議。お話、とても面白い。会話シーンが絶妙で好きだ。くまもんがその年代とは思えない切り替えしの鋭さに驚くけど。最初ただ気味悪い存在だったハナコがびっくりするぐらい健気な人で勝手ながらそんなだけで北へ好印象を持ち始めてしまう自分に呆れる。熊倉書店店主の肝の据わり具合にも感心する。しかし執行猶予期間中にこれだけ大胆な行動をとれる横口健二。芸術家ってそういうものなのかな。危ないと分かっていてもそっちに流れていくというような。人生を目一杯生きてる感じだ。2024/11/22
ほのみ
1
ハナコと熊倉リサがなんか好き こうしちゃいられない早く下巻へ!2025/02/18
ヨシオ・ペンギン
1
途中でやめられないほど面白い2025/02/18