出版社内容情報
異国生活で変化した幸せの尺度。母との確執を超え気づく書く事の原点……赤裸々につづられる人気作家の素顔。日々が愛おしくなるエッセイ。
内容説明
暮らしの中から、物語は生まれる。思い立ったらいつでも旅立てるよう、なるべく荷物は少なくしたい。ベルリン、ラトビア、モンゴル、鎌倉…転がり込んだ見知らぬ土地で変化する、幸せの尺度。母親との確執を乗り越え辿りついた、書くことの原点。デビュー10年の節目、赤裸々に綴られた人気作家の素顔。
目次
第1章 日曜日の静けさ(直感;自分だけのルール ほか)
第2章 母のこと(卵焼き;シャンソン ほか)
第3章 お金をかけずに幸せになる(物欲が消える;なくてもいいもの ほか)
第4章 わが家の味(文化鍋でお米を炊く;おせちと願い事 ほか)
第5章 双六人生(お風呂通い;怒る人 ほか)
著者等紹介
小川糸[オガワイト]
1973年生まれ。2008年、『食堂かたつむり』でデビュー。同作は、11年にイタリアのバンカレッラ賞、13年にフランスのウジェニー・ブラジエ賞を受賞。以後、多くの作品が英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語など様々な言語に翻訳されている。映像化も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卵焼き
122
小川糸の作品は、7冊目。かなり、読みやすかった。ベルリンでの生活、子犬との出会い、仕事で滞在したホテルでの友人、写真家の友人のこと、とても引き込まれました。2022/03/07
ちゃとら
58
書店の文庫コーナーで出会った。毎日新聞で2018年まで連載されていたもの。糸さんのベルリンとラトビア愛が満載。私には馴染みのない国なので、日常生活や考え方など国民性がリアルに伝わり興味深かった。文庫版のあとがきで、2020年3月街から忽然と人の姿が消えゴーストタウンのように恐怖を感じ急遽犬を連れ逃げるように帰国した。とあった。コロナ、戦争、災害。日本にいても恐怖なので、海外に住まわれている方が、いざ帰国となると大変だろうなと思わずにはいられなかった。平和にプラプラと旅行✈️できた日々が戻ると良いです🙏2022/04/05
あつひめ
43
私よりも年下なのだけれど、心の年齢はずっと大人に感じられる小川さん。エッセイは作家さんの心の声が含まれていると思いながらいつも読むので小川さんの人柄に触れられたことで勝手に応援したくなる友と出会った感じ。異国での生活、親との関係、家族。迷っていてもここぞという時の決断。我が家は分家だったのでお仏壇がない家で育った。小川さんの手作りの仏壇はとても心に染みた。そして唱える言葉も。親はいなくなってから初めて自分と一体化する気がする。母のお腹にいたころ。今度は自分の心の中に親がいる。優しい気持ちで本を閉じた。2022/10/20
しん
32
小川糸さんのエッセイは振り返ると割と沢山読んでいる。全部が全部ではないけれど。このエッセイはこれまで読んだエッセイとは少し違った雰囲気だったのは、毎日新聞に連載されていたものだからだろうか。ベルリンと日本の違いがとても面白いと思った。電化製品にしても日本は便利なものであって、ドイツは長持ちするものを作る。確かに日本の電化製品の便利さは優秀だと思うけれど、10年経ったら壊れてしまうのもどうかと思う。なんていろいろ思いながら読んだ。双六人生も面白かった。2022/04/17
SHIN
28
著者にとってラトビアが〝魂のふるさと〟なら、ベルリンは〝心のふるさと〟と、うたっている。ラトビア人は規制するのではなく〝〜しましょう〟・ベルリンはみんな平等で〝休むときは一斉に休む〟習慣が素晴らしい。そんな優しい心遣いに癒される。2022/10/31