毎日文庫<br> 極北へ

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毎日文庫
極北へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 219p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784620210360
  • NDC分類 297.8
  • Cコード C0195

出版社内容情報

二十歳で登頂したデナリ山。アラスカ、グリーンランド、カナダ、ノルウェー、そして、二度目のデナリへ 。
地球の極北地域に魅せられた長い旅の軌跡。
世界を駆け抜ける写真家が《 原点 》 を綴った珠玉 のエッセイ 、待望の文庫化!

内容説明

北米大陸最高峰デナリの頂に立ったとき、憧れ続けていた極北の大地をめぐる終わりのない旅がはじまった。アラスカ、グリーンランド、カナダ、ノルウェー北極圏…極寒の地に生きる人々との交流、厳しくも美しい自然への畏怖。人間の野性を呼び覚ます圧倒的な世界との出会いを瑞々しい文章で綴る。世界を駆け抜ける写真家の“原点”がここに。

目次

デナリ
アンカレジ
フェアバンクス
タルキートナ/シトカ
ノーム/シシュマレフ/コッツビュー
ヌーク
カルゲルルススアーク/イルリサット
ノルウェー北極圏
スヴァルバール諸島
イヌビック/タクトヤクタック
二度目のデナリ
極北へ、ふたたび

著者等紹介

石川直樹[イシカワナオキ]
1977年東京生まれ。写真家。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら作品を発表し続けている。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)による日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞。2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞した。書著に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

100
1998年20歳で北米最高峰デナリに登頂した。2001年チョモランマに七大陸最高峰登頂の最年少記録を更新した。そして2016年再び原点に戻りデナリ単独登頂を達成する。シェルパもいない全くのひとりで、頂上では横殴りの雪と灰色の空しか見えなかった。高校生でカヌーイストの野田知佑さんに出会い、星野道夫の著作で知ったアラスカへ旅し、植村直己の眠るマッキンリーを思いつつ、40歳になった。星野道夫も植村直己も、奇しくも43歳でこの地で世を去った。わずか百年に満たない人間の時とは異なる、極北という地の悠久の時を感じる。2022/02/03

penguin-blue

39
20歳でのデナリ登頂、各大陸の高峰登頂など凄いことを成し遂げてきたのに、著者の文章からはいわゆる「どや顔感」や気負いを感じない。歳を重ねても変わらない未踏の地への尽きせぬ好奇心と、過去に出逢ってきた人や、土地への温かい愛情、そして自然への畏敬。現地に暮らす人たちとの出会いや、描写を読んで、私は恐らく自分では一生訪れることのない極北の地や、高い山々を少しだけ近く感じる。詩人の渡邊十絲子さんによる「言葉」に関するあとがきも素敵だが、何より巻頭の温暖化によるアラスカ・シシュマレフの景観の変化の写真は衝撃的だ。2022/07/28

Book & Travel

37
写真家であり、登山家、冒険家でもある著者のことは知っていたが、著書を完読するのは初めて。世界各地を旅する著者だが、本書はアラスカ、カナダ、グリーンランド、北欧など、厳しい極北の旅とその地への思いを綴ったエッセイである。野田知佑氏に出会いカヌーでユーコンを下り、星野道夫氏と植村直己氏に憧れデナリ登頂を果たした著者。特に星野氏亡き後のアラスカのゆかりの地の訪問、シシュマレフ村の惨状など興味深く読んだ。一編一編はあっさりした印象だが飾らない文章で読み易く、日常を一時忘れ北の地に思いを馳せるいい読書時間になった。2023/10/30

そふぃあ

25
北米最高峰デナリ(マッキンリー)へのトライ、アラスカやノルウェーなどの北極圏へ訪れた記録が綴られている。 描写が淡々としていて、山の澄んだ空気感を思い出した。チョコレートなどの行動食を食べたくなってくる。何度も登山や旅をしているだけあってパッキングとか行動が効率的でさすがだと思った。魔法瓶ではなくナルジンボトルをうまく使っているところとか。死ぬ前に一度は北極圏へ行ってオーロラを見てみたい。2023/03/23

タカボー

12
星野道夫さんの大胆かつ無謀なお願いのエピソードも凄いけど、見たことも話したこともない相手を受け入れる人の懐の広さも凄い。自分の力の及ばない過酷な自然と共に生きる人々にとって、知らない人間が居候に来ることなど何の事も無いのかもしれない。世界最北の有人島スヴァールバル諸島。今まで存在も知らなかったけど、世界地図の上の端ギリギリに確かに載ってた。五度しかない夏。そこで暮らす人々は人生で半袖着ることあるのかな?とか考えてしまった。2021/09/11

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