内容説明
1980年代の東京で、三十路を超えた三人の元不良少年たちが十年以上前に行方不明になった彼らのマドンナ・直子のことを、ふと思い出した。実は三人は、彼女の個人的なことを何一つ知らなかったのだ。一体、直子はどんな秘密を抱えて、彼らの前から姿を消してしまったのか…?火浦功の尾道1部作(?)『明るい世紀末のすごし方』他、七編の単行本未収録作品を集めた奇跡の一冊!
著者等紹介
火浦功[ヒウラコウ]
1956年広島県生まれ。大学在学中に『小池一夫劇画村塾』に入塾。1980年、早川書房『SFマガジン』主催のハヤカワ・SFコンテストに応募した作品が参考作となり、同誌よりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
67
普通のショートショートをずらした、おっ、と思う作品や、昭和ネタギャグが爆発する作品もある。お得意のおまぬけハードボイルドも楽しい。期待した新作ではなく、単行本未収録の旧作集だが、それがなぜか2016年に出たのは、マジで奇跡に近いだろうなあ。「著者が一番驚いている」というキャッチフレーズが、本気で冗談ではなさそうだ。昭和と平成にまたがる、「明るい世紀末のすごし方」が一冊中のメインの作品。さすがは中編で、構成が作家の本質を教えてくれる。ノスタルジーですなあ。2020/05/26
nukowan
15
ティーンネイジャーの頃に読んでいた作家だったか。ガルディーンシリーズとかそうなんだっけ?SF読んでたなあ。永井豪のお兄さんだっけ?凄ノ王王伝説とか読んでた。橋本治のハイスクール八犬伝とかも。究極超人あ~る、原田知世とかのルートを通って大人になりまして。/話の途中で投げ出した作品とか収録されててびっくりした。しかしまあ、読みやすいこと。新しい読者には必要ない作品かもしれません。懐古でした。いい時代だった、のかな?2020/04/20
青龍
15
タイトル&表紙買い。久しぶりに火浦先生を読んだ。相変わらずの...ですね。そう言えば、「ガルディーン」は、どうなったんだっけ?昭和テイストの作品群で、内容はともかく(失礼(>_<))、こういう雰囲気は懐かしいなあ。ほんの少し前まで、携帯もパソコンも普及してなかったんだよなあ。挿絵の竹本先生の作品も、学生時代に結構読みました。2016/08/08
eihuji
14
単行本未収録作品集。と云うと少し聞こえも良かろうが、嘗て「未完の帝王」の称号を恣にした著者の、思いつきで書き始めたがどうにもこうにも収集つかず或いは飽きて投げ出した中途半端の寄せ集め、と云うのが相応しい。随分昔にSFマガジンだか野生時代だか獅子王だかで読んだ記憶のある作品があるようなないような。いずれにしても清々しいほど記憶に残らない珠玉のカルさ。そんな著者作品を青年期の僕は愛し、実は、今も、愛し、てい、たりす、るのである。ま、他人にはお勧めしない。2017/12/25
ふゆ
13
いーなーいーなー読みたいなー光線を出しまくった結果、お借りできた著者的傑作作品集。もう途中で飽きて放り投げた感ハンパない!これこそ火浦功、ブレない!大好き!懐かしい!だって昭和だから!軽妙洒脱な文の中に男のロマンを盛り込んだ尾道が舞台の作品が、ちゃんと終わってよかった…2018/01/06