出版社内容情報
大阪で、のんびり一人暮らし歴を更新し続ける春子。突然訪れた「ご近所づきあい」、その行方は…? 芥川賞作家が放つ大人の女性必読の一冊。
内容説明
住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作!
著者等紹介
柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年大阪生まれ。2000年に『きょうのできごと』を刊行(04年に映画化)。07年『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(18年に映画化)、14年に『春の庭』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
280
柴崎 友香は、芥川賞賞受賞作『春の庭』に続いて2作目です。今時のアラフォー単身女性の物語、単身者は増えても生きづらさは、変わらないのかも知れません。待ち遠しいのは、新たな命の誕生でしょうか?本書でトルコに持参した7作完読です。2019/08/20
なゆ
132
全く年代の違う3人のご近所付き合い物語。春子は離れを借りて一人暮らしする独身39歳。母屋に越してきた大家の未亡人ゆかり63歳。同じ敷地の黄色い家に住むゆかりの甥夫婦の若妻沙希25歳。少々お節介ぎみのゆかりに誘われ、3人で一緒にごはん食べたり、時には旅にも。でも、ぎくしゃく…。その場を無難に収めようとする春子に対し、無意識なのかワザとなのか棘だらけの無遠慮な言葉を投げてくる沙希。一人で生きてるだけなのに、肩身が狭い思いの人は多いだろうな。いろいろ言う人はいるけど、いろんな楽しみを持って生きてりゃ、いいよね!2019/09/23
machi☺︎︎゛
130
立場も年代も違う3人の女性たちが同じ敷地内のそれぞれの家に住みながら、時に集まったりしながら交流を深めていく。だけどそれぞれ価値観が全く違うから読みながら普通とは何か⁇と考えさせられる。例えば、1番年上のゆかりさんは元大家の子供で性格もあるのかとてもお節介。でもそれは別の人からみれば面倒見がいい。って印象になる。適度な距離感を保ちながら良い人付き合いをするのって難しいな。でもたまにはこうゆうご近所づき合いにも憧れる。2019/11/06
のぶ
122
とても暖かで、是枝監督で映画にして観てみたいような作品だった。主要な登場人物は3人。離れの一軒家で一人暮らしをする39歳の北川春子。母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚25歳の遠藤沙希。一見何の共通性も関連もなさそうな3人の付き合いが始まる。それぞれに不満や問題を抱えているだろうが、あまり物語の表面に出さず、穏やかな雰囲気の描写が続くが、それを通して3人の個性が浮き上がってくる。特別な事は特に起きないのに、最後まで飽きることなく楽しく読み通すことができた。2019/06/26
ででんでん
99
久しぶりに小説が1冊読めた・・😅とてもおもしろかったけれど、途切れ途切れの読書。春子の上司が言う。「男はつらいのよ。いろいろ背負てるからなあ。その点、女の人は仕事でも主婦でも選べて、自由で羨ましいわ。ここら辺の店でも、楽しそうにしてる女の人でいっぱいやんか」。私は自分が女で楽しいな、幸せだな、男性のほうが案外窮屈かなと思ったりもする。でも、春子がそれを聞いて机をひっくり返したくなる気持ちもわかる。「それは、なんとかがんばって楽しみを見つけてる、ってだけのことやと思う」と春子は必死に言い返すが…。2019/08/18
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