出版社内容情報
娘を死なせた「二美男」と母親に捨てられた「汐子」は、どん底人生から這い出せるのか!?人の優しさ人生の悲哀を描く人情ミステリー
内容説明
哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。ろくでもない生活の終わりは、いつくる?生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作!
著者等紹介
道尾秀介[ミチオシュウスケ]
1975年生まれ。2004年『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。10年『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞、11年『月と蟹』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
336
道尾秀介は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。グダグダとしたユーモア人情ミステリ、著者の久々のスマッシュヒット、ここ数作の中では一番楽しめました。汐子が大変魅力的です。2017/07/19
サム・ミイラ
289
過ちから愛する人を亡くし人生を捨て社会からはみ出し生きる男の再生と希望への旅立ちを描かせたら道尾秀介の右に出る者はない。そうこれはもうひとつのカラスの親指というべき作品。それと比べると決して大きな仕掛けはないが、より深く心の内側を感情豊かに紡ぐ作者の力量は確実に増している。ゆったりとした前半から一気に畳み掛ける後半の見事な展開。とくに炭鉱跡地の追跡劇は大いに興奮する面白さ。そしてさりげなく張られた伏線の数々に感心させられる事となる。ラスト汐子の台詞に温かい涙が込み上げる生きる勇気をもらえる佳作である。2018/01/08
のり
247
娘を亡くした二美男と、父親を亡くした小学生の汐子。(二美男の姪)訳あり二人の生活に降りかかってきた謎だらけの事件。ご近所仲間総出での賑やかさにホッコリしながら、剣道指南の「嶺岡家」の内情、そして「頭蓋骨」をめぐっての大争乱。二転三転しながらの着地には、心底やられました。ダメダメな二美男と、大人びた汐子の会話が温かくて、切ない。本作は道尾作品の新たな代表作になるかも?個人的にはNo.2です。カラスの親指には程遠いですけど…2018/01/21
Yunemo
244
まずは、このドタバタ感、面白く、笑って読み終えました。でも、いろんな場面で、繋がりが薄れてしまっていて、あれって?と思う場面も。そもそもが、自責の念に囚われての自堕落生活、同様な過去を持つ同年代者との繋がり(最後になって分かるのですが)、母に捨てられながらそれを救う小学生、周りを囲むアパート住人、対しての不可解行動をとる嶺岡家の人々、と条件設定はそろっているんですが、どうも人情面から見るとしっくりしないままに。あまりに出来過ぎの小学生汐子、どれだけ救われることか、でも汐子の救いは何?幸せになって欲しいな。2017/10/09
takaC
224
無駄にドタバタしているような印象が強かったのが残念。2018/02/14