内容説明
女と男と、そして神。あらゆる“私”に出逢える44篇の掌の小説。
著者等紹介
田中慎弥[タナカシンヤ]
1972年山口県生まれ。2005年「冷たい水の羊」で第三七回新潮新人賞受賞。2008年「蛹」で第三四回川端康成文学賞受賞。同年「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で第二一回三島由紀夫賞受賞。2012年「共喰い」で第一四六回芥川龍之介賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
40
静かながらも圧力のある掌編でした。短い話の中に凶暴性と無力感が共存するのが面白いと思います。2024/07/29
そうたそ
32
★★☆☆☆ 作者は自分には長編より短編が向いていると最後に述べている。個人的にもそれは確かにそうだなと思う。なぜなら長編が駄作だったからに他ならない。でもこの掌編という形式にもなれば、今度は逆に物足りなさが出てきてしまうかな。別に明確な起承転結のあるものを求めているわけではないのだが、解釈はこっちに委ねられてるの?と思うような作品が多々。自分としては掌編といえばどうしても川端康成の「掌の小説」ばかりが思い浮かぶから、そういうイメージが先行してしまいがちになるのだろうか。いずれにせよ消化不良。2016/06/12
浦
14
毎日新聞に連載されていた、田中慎弥さんの超短編集第二弾。前作からさらに手慣れた感じで、形が出来上がっているようだ。この人の作品は好きなんだが、最近はだんだんやたらと左翼的になって来ているのが残念。左に振っておけば一定の支持者は着くだろうし、毎日新聞のウケもいいだろうけど…。新聞連載はこれでやめたらしいので、また内面を見つめた小説を書いて欲しい。2016/07/26
カタコッタ
12
掌小説を書くことは難しい事なのだろう。田中慎弥の凄さを読者は知る事になる。☆42016/08/16
クララ
10
新聞に連載されていた短編をまとめた作品。短いのに、こんなに何かを感じさせるとは…毛嫌いしていてごめんなさい田中さん…2016/10/18