冷血〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 289p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784620107905
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

"合田雄一郎"シリーズ最新刊!

2002年クリスマス前夜。東京郊外で発生した「医師一家殺人事件」。衝動のままATMを破壊し、通りすがりのコンビニを襲い、目についた住宅に侵入、一家殺害という凶行におよんだ犯人たち。彼らはいったいどういう人間か?何のために一家を殺害したのか?ひとつの事件をめぐり、幾層にも重なっていく事実。都市の外れに広がる<荒野>を前に、合田刑事は立ちすくむ― 人間存在の根源を問う、高村文学の金字塔!

「子どもを二人も殺した私ですが、生きよ、生きよという声が聞こえるのです」二転三転する供述に翻弄される捜査陣。容疑者は犯行を認め、事件は容易に「解決」へ向かうと思われたが・・・・・・。合田刑事の葛藤を描く圧巻の最終章『個々の生、または死』収録。

内容説明

「私たち一人一人にとって、世界を埋めるものは多かれ少なかれ異物なのだ」刻一刻と姿を変えていく殺戮の夜の相貌。容疑者はすでに犯行を認め、事件は容易に「解決」へ向かうと思われたが…。合田刑事の葛藤を描く圧巻の最終章。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

145
下巻は犯人が捕まってからの取調べ~判決までの話。動機を調べるのがこんなに大変だとは・・・。2016/01/24

文庫フリーク@灯れ松明の火

142
『太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。合田を困惑させ、合田の心に思索ふりつむ』本文で「自分たちが目の当りにしているのは、たまたまどこからか現れた男二人が、ほとんど何も考えず、目的すらはっきりしないまま、なにがしかの気分に任せて動いた結果の一家四人殺しであり、まさしくそれ以上のどんな深みも真相もない、事実という名の空洞があいているだけではないのか」と合田は思考する。被害者や遺族へ向ける心以上に、合田の思考・思索は加害者の井上・戸田へと向かい、明確な答えを→続2013/07/02

みも

130
昨年「怪物」という映画を観た。誰が怪物なのか…それは鑑賞者に委ねられる。本作も冷血とは誰で、何者であるかを読者に問う。本作はフィクションでありながら、ノンフィクションノベルをも凌駕する究極のリアリズム。カポーティの懊悩を合田に負わせ、合田の困惑はすなわち読者の混迷となるが、同時に共鳴をも呼び起こす。読者は犯罪の残虐性に惑わされてはならない。殺人者の恣意から人間の尊厳を浮き彫りにする秀逸なる手法。丹念な筆致でここに描かれるのは事件の概要ではなく人間の魂の深淵。現代最高峰に君臨する著者の内奥が凝縮された傑作。2024/08/30

みんと

119
この犯人の精神状態に怯えた。 供述の中のどこにも共感できるところは無く、暗証番号を聞き出した後、心境が変わり撲殺した理由、座布団をかぶせた理由、目の前での出来事にのみ反応し、他には興味を持たない。 こんな凶悪犯がこの世の中に増殖しないことを心から願う。 今回の作品はやはり辛い部分が多かったが、他の高村作品にも挑戦しようと思う。2014/02/04

財布にジャック

90
井上と戸田のしたことは、絶対に許せないことなのですが、下巻を読み進めていくうちに、もやもやとした複雑な気分にさせられました。辛くて暗くて切なくてある意味嫌がらせのような内容なのに、それでも読むのを止められないのは何故なのでしょう?それはきっと、合田さんの葛藤が、そのまま私にも伝染してしまったからなのではないかなぁと思います。また本筋とは関係ないものの、映画や本の話が途中途中に出てくるのが興味深かったです。いろいろな意味で、考えさせられる凄い作品でした。2013/04/11

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