内容説明
「気骨、自負心、正義感、恥を知る心、献身―日本人の美風を忘れるな」と説く本書は、痴呆におののきながらも、人生の品格を最後まで保ちたいと願う日本人の矜恃を描いて、だれでもむかえなければならない「老い」と「死」にも鋭く迫る問題の小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
一笑
7
82才の老人が酔って公園で寝込んでしまい凍死。物語はそこから始まる。太平洋戦争アッツ島での戦いの生き残りの戦友会メンバーが主な登場人物となる。守備隊2500名のうち生き残ったのは30名弱。30名に減っていく過程が細かく描かれており、その悲惨さが伝わってくる。短期間に戦友会のメンバーが次々と亡くなったため、その謎を戦友会のメンバーの一人である正岡祐作の息子久志が解いていく。アメリカの国立公文書館や議会図書館まで登場する。戦争の悲惨さと戦争に参加した人達の老い。途中官能小説ぽいところがあるのは何故か?2023/12/26




