出版社内容情報
社長令嬢キャラは父の書斎で言い争う声を耳にして扉を開けた。父といたのは、非情な仕事ぶりで知られる商売敵のヴィンス。最近顔…
内容説明
社長令嬢キャラは父の書斎で言い争う声を耳にして扉を開けた。父といたのは、非情な仕事ぶりで知られる商売敵のヴィンス。最近顔を合わせるたびに、彼女に無遠慮な視線を送ってきた男だ。会社の業績が悪化した父はそのヴィンスから多額の借金をし、今週末の期限までに返済できなければ、会社も家も失うという。なぜか憎しみを目に宿して父を追いつめるヴィンスに、キャラは支払い期限を１年間延期してほしいと懇願した。ヴィンスは彼女の体を眺め回すとうなずき、条件を出した。希望を叶えるかわりに、借金が返済できるまで僕の妻になれと。
著者等紹介
ウィタル，イヴォンヌ［ウィタル，イヴォンヌ］ ［Ｗｈｉｔｔａｌ，Ｙｖｏｎｎｅ］
南アフリカ生まれ。７０年代後半から９０年代初頭にかけて活躍した作家。独特な雰囲気をもつ南アフリカの各地を舞台に男女の愛のもつれを描いた作品は、今なお絶大な人気を誇る（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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糸車
19
いくら最後がハッピーエンドとはいえ、復讐に凝り固まったヒーローにゾッとする。憎い本人だけじゃなくて妻や娘も巻き込んでしまうやり方がねえ。暴走する兄を止めようとするハリエットの存在に救われる。父を亡くした後の苦労は兄と妹では違ったのかも知れないけれど、復讐に囚われていない彼女の方が人生の重荷は軽いのではと思う。終盤のヒロインの肝の座り方につい笑いが。あくまでも自分が事態の鍵を握っているつもりがヒロインに出て行かれそうになってじりじり後退、ヒーローの狼狽ぶりが見られて嬉しいと言ったらいかんかしら。2018/08/13
