PHP新書<br> 中国vs.世界―呑まれる国、抗う国

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中国vs.世界―呑まれる国、抗う国

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569849478
  • NDC分類 319.22
  • Cコード C0230

出版社内容情報

ナイジェリアには、中国人の酋長が何人もいる。例えば中国国有企業の現地支社に勤める27歳の李満虎は、現地の権力者からの要望で突然地元部族の酋長になった。ナイジェリアと中国との関係が濃密であることの証左といえよう。
中国に親しみを持つ国は、他にもセルビア、エチオピアなど多数存在する。だがその一方、中国ではなく台湾と国交を結ぶカリブ海の小国など、中国に対抗する姿勢を貫く国もある。本書は大国と相対する12か国のリアルを活写。京都精華大学学長ウスビ・サコ氏、「職業はドイツ人」コラムニストのマライ・メントライン氏との対談、さらに孔子学院への潜入記も収録。
【内容例】
vs.イスラエル――サイバー外交に水を差す「開封のユダヤ人」問題/vs.カザフスタン――「一帯一路のスタート地点」が直面する新疆問題/vs.オーストラリア――スパイとコロナ禍で「蜜月」から「対立」へ/vs.カナダ――中国が民主主義社会をハックする/
vs.スリナム――客家と秘密結社と華人大統領etc.

内容説明

ナイジェリアには、中国人の酋長が何人もいる。例えば中国国有企業の現地支社に勤める27歳の李満虎は、現地の権力者からの要望で突然地元部族の酋長になった。同国と中国との関係が濃密であることの証左といえよう。中国に親しみを持つ国は、他にもセルビア、エチオピアなど多数存在する。だがその一方、中国ではなく台湾と国交を結ぶカリブ海の小国など、中国に対抗する姿勢を貫く国もある。本書は大国と相対する12か国のリアルを活写。京都精華大学学長ウスビ・サコ氏、「職業はドイツ人」マライ・メントライン氏との対談、さらに孔子学院への潜入記も収録。

目次

第1章 vs.イスラエル―サイバー外交に水を差す「開封のユダヤ人」問題
第2章 vs.ナイジェリア―差別と利権と「中国人酋長」
第3章 vs.カザフスタン―「一帯一路のスタート地点」が直面する新疆問題
第4章 vS.エチオピア―「中国寄り」WHO事務局長と借金鉄道
第5章 vs.オーストラリア―スパイとコロナ禍で「蜜月」から「対立」へ
第6章 vs.セントビンセント及びグレナディーン諸島―「市議会」レベルの国会をめぐる中台対立
第7章 vs.セルビア―類は友を呼ぶ?相互補完関係が成立
第8章 vs.カナダ―中国が民主主義社会をハックする
第9章 vs.パキスタン―カシミールと核開発で結ばれる「鉄桿朋友」
第10章 vs.スリナム―客家と秘密結社と華人大統領

著者等紹介

安田峰俊[ヤスダミネトシ]
1982年滋賀県生まれ。ルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了(中国近現代史)。『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で城山三郎賞、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まると

24
「八九六四」を書いたルポライターの著者が、良くも悪くも中国と縁の深い国のことをあれこれと書いている。最初のイスラエルに「帰還」した「開封のユダヤ人」の話は興味深かったが、他はさして驚くべき内容はなく、まとまり度の高いガイドブック風の書きっぷりです。それもそのはず、コロナ禍で現地に行けていないのだから、独自のエピソードに乏しくて当然。それは著者も承知しており、あとがきで「未来の仕事の準備ノート」とも記している。その辺は「さいはての中国」など過去の新書で面目躍如しているのだろうが、全体に食い足りなさは否めず。2021/07/14

サケ太

24
『現代の世界で、中国人の姿をまったく見ない国はほとんど存在しない。』各国から見た中国の姿。イスラエル、ナイジェリア、カザフスタン、エチオピア、オーストラリア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セルビア、カナダ、パキスタン、スリナム。知ってる国からマイナーな国まで。日本から見える、漠然と抱いていた中国のイメージは他国にとってどういうものか。反発、迎合、不審、信頼。実際の動きやその国出身の人たちから見える考え方。コラムの『孔子学院をスパイする』には笑ってしまったが、中国語を学びたくもなってしまう。2021/05/27

Toska

13
「世界が中国を見る目」というと欧米マスコミの見解で事足れりとされがちな中、敢えてアフリカや中南米、イスラエル、パキスタンなどに突っ込んでいくのがこの著者らしいところ。対外関係でお高くとまってしまう日本に対し、中国は欲得と好奇心丸出しで相手の懐に飛び込もうとする。そのため、例えばアフリカとの関係作りで日本は中国の足元にも及ばない。他方、極度に強引かつ独善的な中国の姿勢が顰蹙を買う場合も多く、そういう意味では外交下手。ともあれ、ほんとにパワーのある国だということがよく分かる。2023/01/12

Hatann

11
2018年の米国シンクタンクの調査によると、世界世論の対中感情は全体的に好意的だった。調査対象25ヶ国について好意的45%・悪意的43%とのこと。日本は好意的17%・悪意的78%となっている。日本が偏っていることにつき自覚的であるべきだが、参考として各国の対中感情・状況が素描されている。超メジャーを回避してマイナーな国を取り上げるのが著者らしい。冒頭からイスラエルが紹介され、ヨーロッパからはセルビア、南米からはスリナムを取り上げる。コロナ以降、嫌中に傾きつつあるが、客観情勢は冷静に認知したいものだ。良著。2021/08/19

Katsuto Yoshinaga

10
安田峰俊氏は「監視社会化と外国人への警戒心が高まり続けている」習近平政権下の中国ルポを精力的に書き続けいている。さして中共に興味がなかった私には目新しく、国際政治好きの私には興味深いルポばかりである。本書は、中共と対峙するイスラエル、カザフスタン、オーストラリア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、セルビア、カナダ他、10カ国について、関係性や理由、現状がルポされている。カザフにおける回教とウィグル問題、セルビアに接近する中国等々、冒険小説のモチーフがありそうで、そんな想像も楽しかった一冊。2025/04/02

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