内容説明
貴族令嬢のキャットは義理の従兄の後ろ暗い秘密を知ってしまい、追われていたところを通りすがりの紳士ランサムに救われる。彼は明日、西インド諸島へ向けて船を出すという。誰にも知られず従兄から逃げる必要があった彼女は密かに一計を案じ、髪を切って少年に扮すると船室係としてその船に潜りこんだ。洋上、ランサムの勇姿を見るうちいつしか恋心が芽生えるが、正体を偽る自分に彼を愛する資格はないと、気持ちを隠し続ける。だが航海最後の日、抑えていた想いがあふれ、キャットは彼に口づけすると、足早に船を去った―のちに思わぬ再会をするとも知らずに。
著者等紹介
シモンズ,デボラ[シモンズ,デボラ][Simmons,Deborah]
日本では『狼を愛した姫君』でデビュー以来、ヒストリカルの分野でナンバーワンの人気を誇る作家。米国オハイオ州在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まるかず
5
良かったです♪♪ 539頁という長編で、読み応えもあったし♪ 無邪気で元気なキャットが気に入ったし、影のあるランサム船長も素敵でした♪ 二人の間で育っていく信頼関係と絆。その関係が深かっただけに、あらぬ疑いのせいで決裂してしまった時の、二人の心の傷に胸がギューッとしめつけられます。またそれだけに、疑いが晴れて再びハッピーになった時のうれしさといったら……♪♪(≧∀≦)2011/05/03
nayui
3
男装ヒロインもの。前半は少年キャットの船旅編、中半は令嬢キャットとランサム再会編、後半はその後の2人とメリハリがあって楽しく読めた。デボラシモンズ作品ではこの本と『悪魔の花嫁』が大のお気に入り。2011/05/30
くろうさぎ
3
面白かった。純粋無垢で必死だったヒロイン。無邪気でかわいいんだけど、、ヒーロー船室で気づかないなんて、、なんて鈍感なの??そんなんじゃ船長務まらないんじゃ・・・?ヒロインも再会してからはあまりも頑なに信じないのでちょっとイラッとしましたね。2011/02/04
erie
3
義理の従兄に命を狙われたヒロインはバルバドスで暮らす伯母のもとへ行くため、少年に扮して私拿捕船のキャビンボーイとなって旅をします。ヒーローは船長で公爵。テンポよく楽しく読めたけれど、ヒーローをはじめとする乗組員たちが彼女が女だと見破らないのがちょっと信じられない。2010/04/23
kokorika
2
従兄弟に命を狙わられたキャット。彼女は私拿捕船の船長ランサムの船にキャビンボーイとして乗り込む。一族を事故で亡くしているランサムは愛する人を作らないが、キャットを妙に気にかける。ランサムに女としての愛情を感じ始めたキャットはバルバドス島の伯母の元へ。そして女性としてランサムに再会する。2人にはいろいろな試練があるが、ランサムがもう一度人を愛し2人で幸せを掴むまでが描かれている。楽しく拝読。2024/12/18