内容説明
19世紀のロンドン。適齢期を迎え伯母の家に預けられたソフィーは、当のリブンホール家が抱える数々の問題にすぐ気づいた。賭事三昧の伯父、詩人に恋する次女、憂い顔の次男も心配だが、実質的な家長である長男チャールズの専制君主ぶりは目に余る。家族中が彼を恐れているうえ、婚約者は究極のうるさ型で、結婚前から何かと口を出す彼女にはチャールズ自身も辟易しているらしい。このままではみんなが不幸になるわ―持ち前の機転で驚くべき救済計画を立て始めたソフィー。そんな彼女を待ち受ける、思いがけない素敵な結末とは?伝説の大作家ヘイヤーの英国摂政期ロマンス、待望の初邦訳。溢れるユーモアと精緻な人間描写が光る、必読の代表作。
著者等紹介
ヘイヤー,ジョージェット[ヘイヤー,ジョージェット][Heyer,Georgette]
1902年英国生まれ。74年に死去するまでに約60作の著作を発表。綿密な時代考証に基づき、リージェンシーをはじめ英国の歴史を舞台にした恋愛小説を多数著した。ロマンス小説家のほとんどが彼女の作品を愛読し、強い影響を受けたと語り、現代のヒストリカル・ロマンスの原型となった
細郷妙子[サイゴウタエコ]
東京外国語大学英米科卒。外資系企業勤務ののち、ロンドンで宝石デザインを学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みみずく
20
世話焼きで周りの人々が困っているのを見て見ぬ振りはできないソフィーは、持ち前の行動力と機転で解決していく。このソフィーの行動に目を白黒させつつ魅了される従弟妹たちと嫌いぬいていく従兄の婚約者ユージニア。このズレた道義心の持ち主ユージニアとのやり取りがいつも冴えていて痛快だった。従兄チャールズもガミガミうるさいのだけど、フェアなのでちゃんとソフィーの良さも解ってくるところが良かった。主人公ソフィーだけでなく周りの人々も細かく描写されているお陰でどの人物も生き生きと感じられて、本当に楽しい読書時間だった。2015/04/11
雪月花
16
ジェーン・オースティンと同時代のイギリス文学なので、もっと重厚な内容だと思っていたら、ドタバタ喜劇に近い内容で、登場人物の名前も19世紀のイギリス貴族の称号であった侯爵、子爵、卿などがこんがらがり、なかなか読み進めることができませんでした。ストーリーは、父の外遊の留守中に伯母の家に預けられたソフィーが、いとこたちの様々な問題を策士のごとくハチャメチャで豪快な方法で解決していくというものですが、最後まで入り込めなかったのが残念です。この作家さんはもう読まないかな···2020/09/30
縁側
7
ラブシーンの出てこないロマンス小説。正にストーリーで読ませる。ヒロインの偉大なるソフィーは、赤毛のアンを彷彿とさせるが、英知、行動力、財力、人情、常識、頭の回転の早さを兼ね備えた動く爆弾娘。もはや無敵。じゃじゃ馬ならしの男女逆転劇かとも思うほど、大団円のフィナーレのドタバタ劇は、これ、劇で観て大笑いしたいーと思ったほど。 もっと日本の子女に広まっても良いと思う。埋もれているのが惜しい小説。2019/02/23
Mana
7
ジェイン・オースティンの系譜を継ぐというジョージェット・へイヤーの摂政時代のロマンス本。確かにオースティンっぽい感じ。ヒロインのソフィーは外交官の父に連れられて外国を巡って育ったので風変わりに育って、そのバイタリティでみんなを振り回す。最後はみんな落ち着くべきところに落ち着いてハッピーエンド。2018/11/12
びわ
7
面白かったー♪ヒーロー&ヒロインの会話が楽しい。脇キャラも魅力的で、人数多いけど混乱することはなかった。最後が駆け足だったけど、ハッピーエンドで、さすがソフィー♪スペインの未亡人がけっこう好きだった。2013/02/11
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- 和書
- OD>園太暦 〈4〉