内容説明
意識をとり戻したときジリアンは燃えさかる炎の中にいた。完璧な美貌を誇っていたあの母が、無惨な姿で横たわっている。大戦中に反ナチ運動で活躍し、ミネソタの田舎町に英雄として迎えられた母。だが、その輝かしい軌跡をたどるうちに明らかになったのはあまりにも醜悪な事実だった。ジリアンは母の虚ろな瞳を見つめ返した。この人は今、地獄にいる。まさに最もふさわしい場所に。動乱の時代を生き抜いた女の汚れゆく魂を描く、壮絶な歴史サスペンス。
著者等紹介
スミス,テイラー[スミス,テイラー][Smith,Taylor]
カナダ、ウィニペグ出身。国際情勢を専門に学び修士の学位を取得、カナダの枢密院事務官として東欧やアフリカなど外地勤務についた。CIAやイギリスのMI6など諜報機関と接点があった実生活の経験を創作に生かし、1995年『沈黙の罪』でデビュー。スキャンダルや陰謀が渦巻く、一度読み出したら止まらない魅力あふれる作品を発表しつづけている。現在は家族と共に南カリフォルニアに住む
安野玲[アンノレイ]
1963年東京生まれ。ハーパース・バザー、ウインズ等の雑誌で、ファッション記事、映画情報、紀行エッセイなどの翻訳に携わる
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