内容説明
空手チョップが得意技の探偵役で15年前に一世を風靡した女優ミランダ。今は仕事もなく、遂にエージェントにクビを言い渡されてしまう。再起にはあのドラマの続編しかない―ミランダは脚本担当だった別居中の夫を説得するため、彼が暮らす町の劇団公演に参加することに。癖だらけの団員たちと殺人劇の稽古に励むが、出演者の一人が舞台上で小道具のシャンパンを飲んだ直後に死んでしまい…。
著者等紹介
吉嶺英美[ヨシミネヒデミ]
サンノゼ州立大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
323
意外な掘り出し物。なかなか事件は起こらず凝ったトリックもないので、ミステリとしてのクォリティは決して高くはない。ミランダのキャラクターと破天荒な行動が楽しく、海外翻訳とは思えない読みやすさも手伝って、これぞコージーという読み口。それだけに終わらず、犯人の意外性や犯行理由にそこそこの驚きもあるので、ちゃんとミステリ好きも満足出来るのではないか。ビーやネッドを筆頭に、脇を固めるハッピーロックの住人も存在感抜群。こうなってくるとタイトルが残念で、まったく中身をあらわしていないことがマイナスとなるのではと心配。2024/04/24
ナミのママ
72
強烈なキャラクターの主人公ミランダはかつてドラマの探偵役で大人気だった女優。仕事がなくお金に困ってもプライドだけは変わらない。…いるいる、日本にもと思い浮かべながら読み始めた。ミステリーを期待すると肩透かしを食うかもしれない。殺人事件が起こるのは後半でそこまではユーモア小説。ところがこの謎解きが一筋縄ではいかずしっかりしている。はちゃめちゃなはずのミランダの印象も読み終わると微笑ましくなる。タイトルが中身とマッチしていないかなとちょっと残念。ストーリーは肩の力を抜いて楽しみながら読めた。2024/05/13
yukaring
69
ユーモア満載のコージーミステリ。落ち目となった元スターのミランダがひょんな事から田舎町のアマチュア劇団の公演に出演する事になるが、ミランダと主演を争った俳優が練習中に死亡。かつて「素人探偵フラン牧師」の役が大当たりしたミランダが真相を探るストーリー。超ナルシストで自己中なのに憎めないミランダのキャラクターや彼女に振り回されてんやわんやする周囲のドタバタ喜劇に笑える。田舎町ハッピーロックの個性強めの人々やそこに住むミランダの別居中の夫エドガー、性格の悪い地元のセレブなど様々な人間模様も楽しめる物語だった。2024/06/04
か
29
ミランダは15年前にTVシリーズで一世風靡した元スター。今日のお金も無いぐらいなのに心がスターなのが抜けない、ちょっと天然。そんなある日ずっと別居している元脚本家の夫から絵はがきが届き、夫の住む町に行くことに。事件が起きるまでが長すぎると思ったが読んでいるとミランダが可愛く思えてくるので応援したくなった。小さな町の劇に出ることになり、リハーサルの最中に主演が舞台で毒殺されてしまう。ユーモアコージーミステリ。読後はニマニマしてしまう、内容も可愛らしい本だった。2024/04/23
だるま
19
かつて大人気女優だったが、今は落ちぶれ仕事も無くなっているミランダ。再起を図って人気があった頃の彼女のドラマの脚本家だった別居中の夫の元を訪ねる(夫は離婚したがっている)。その町の劇団公演に参加しながら、夫を説得しようとする彼女だったが、出演者の一人が観客の目の前でシャンパンを飲み倒れて死んでしまう。以前に探偵役もやったミランダは謎の究明に乗り出す事に・・・というコージーミステリー。軽快に読めるがひたすら長い。500ページの分量で、事件が起こるのが半分過ぎてからって、流石にダレるよ。解明は面白かったけど。2024/06/02