内容説明
1988年シカゴ。クリスは切れ者のニール率いる強盗団の仲間とメキシコの麻薬カルテルの現金貯蔵庫を狙っている。一方、殺人課の刑事ハナは高級住宅地を襲う残忍な連続強盗殺人事件を追っていた―7年後、LAの銀行強盗事件で男たちの運命が交錯したとき、血で血を洗う悲劇が産声をあげる。追う者と追われる者、米国、南米、アジアを跨ぐ犯罪組織の抗争を壮大なスケールで描く、伝説の映画『ヒート』続編!
著者等紹介
マン,マイケル[マン,マイケル] [Mann,Michael]
アカデミー賞に4度ノミネートされ、エミー賞を2度受賞した映画監督、脚本家、プロデューサー。アメリカ映画界で最も革新的で影響力のある映画制作者のひとり。長編映画、テレビ映画、シリーズの脚本、監督、プロデュースを手がけ、数々の名誉ある賞を受賞している
ガーディナー,メグ[ガーディナー,メグ] [Gardiner,Meg]
これまで16作を上梓し、著書は米国内外でベストセラーとなり、20以上の言語に翻訳されて高い評価を得ている。弁護士として働いたのち、作家に転身。『チャイナ・レイク(原題:China Lake)』(早川書房)でMWA賞ペーパーバック賞を受賞している
熊谷千寿[クマガイチトシ]
1968年宮城県生まれ。東京外国語大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃお
23
映画「ヒート」の前日譚とその後が描かれているんですが、これがまためちゃ面白かった!クリスって実は有能だったんですね。映画ではそこまで有能には見えてなかった。ごめん、クリス(笑)。映像化も決まっているようで楽しみ!2023/08/03
タナー
19
1995年に公開され、アル・パチーノとR・デ・ニーロ共演で話題となった第一級のハードボイルド・クライム・アクション、それが「ヒート」だ。私自身にとっても、今でもお気に入りの映画のトップの座を争う名作。この小説はその「ヒート」に繋がる作品で、監督のマイケル・マンが自ら、作家メグガーディナーと共著で描いている。映画作品の7年前のニールの姿や、新たな事件を追う2000年のヴィンセント・ハナ警部、そしてニールの強盗団の生き残りでありクリスのその後を中心に物語は構成されている。プロローグではまず....2023/07/18
まぶぜたろう
18
全てのショットがセクシーでクールでゴージャス、銃器が乾いた音をたてる極めてマイケル・マン的世界の中で、様々な物語が捩れ、もどる。大きな物語とはこれだ。私はあるシーンのある叫びに泣く。そして登場するのは、自殺しなかったナタリー・ポートマンと、あの素晴らしい「ブラックハット」のタン・ウェイだ。彼女たちが逃げ、戦い、生き延びることを切に願う。そのあまりにヒリヒリしたサスペンスと孤独な愛。世界にはもはや私たち二人しかいない。「生きて、記憶に刻め。」ああこれはもう加藤泰じゃないか。傑作。今年のベスト。(○○◯◯●)2023/10/14
Satoshi
10
マイケル・マンの名作映画の続編小説。映画化も予定されているのこと。本作はニール、ハナに加えて強盗団の生き残りだったクリスが主人公であり、映画以前と以後の2つの時間軸で物語が進む。当然ながら、デ・ニーロ、アル・パチーノ、ヴァル・キルマーが想像の中で活躍する。3人がロスのハイウェイで交錯し、ニールの恋人の敵をハナが撃ち、その娘をクリスが助けるシーンは胸が熱かった。残した家族と逃亡先の恋人の間で葛藤するクリスを都合のいい奴と見るか、男の弱さと見るか。2024/07/01
hikarunoir
8
映画後のヴィンセント(パチーノ)とその来歴、逃げ切ったクリス(キルマー)による広大なその後とニール(デ・ニーロ)への回想、二人の新たな交錯。2024/05/09