内容説明
脅迫事件を追うアンドレアは、ベテラン保安官補のパートナーとともに捜査を始め、自殺が相次ぐという不審な農場に目を留める。その矢先、自殺した女性の遺体が新たに発見され、駆けつけた噂の“農場”には、奇妙なことに、痩せ細った女性たちと、かつてエミリー殺害事件の容疑者だったふたりの男の姿があった―。過去と現在、ふたつの悲劇の背後に隠された恐ろしい秘密とは!?『彼女のかけら』関連作!
著者等紹介
スローター,カリン[スローター,カリン] [Slaughter,Karin]
CWA賞スチール・ダガー賞受賞『警官の街』(オークラ出版)を始め、『プリティ・ガールズ』『グッド・ドーター』など20作を超える作品をNYタイムズ・ベストセラーリストに送り込んでいる人気作家。これまで120カ国以上で刊行され、累計発行部数は全世界4000万部を超える。トニ・コレット主演の『彼女のかけら』はNetflixで配信され、全米1位を獲得。2023年に“ウィル・トレント”シリーズが全米ネットワークABCでドラマ化予定に加え、『グッド・ドーター』と『偽りの眼』(以上ハーパーBOOKS)も映像化が進んでいる。図書館を支援する非営利団体Save the Librariesプロジェクトの創設者
田辺千幸[タナベチユキ]
ロンドン大学社会心理学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
88
スローター作品にしては盛り上がりに欠けた。前作と比べてアンディのキャラが激変。頭の回転がよく勇気もある設定になっているが、母親に比べりゃまだまだ弱い。一応アンディにも関係がある事件とはいえ、何故ひよっこもいいとこなのに超法規的にこの勤務についたのか動機も弱い。80年代に10代の女性が妊娠するのは大変なことで、女性の地位を上げるために努力していた母親も、自分の出世の為に娘を犠牲にしたのか。そもそも女性に人権がなかったというべきか。ラストで「次回に続く」的な終わり方なので続編で化けることを期待。 2023/06/09
future4227
64
そうか!「彼女のかけら」の続編だったのか。巻末の訳者あとがきを読んで気づいた(おせーよ)。訳者自身でさえしばらく気づかなかったと告白しているぐらいだから、仕方ないよね。読み終わったあとに続編と知って、物語の深みがぐっと増した。主人公のお母さんは、前作で躊躇なく犯人の喉を掻っ切った凄い人だったし。38年前の事件の容疑者の一人クレイは主人公のお父さん!とにかく登場人物が多い上に名前も変わったりするから相関関係が把握しづらいのが難点。でも、全貌がわかると親子二代にわたる壮大なサスペンスだということがわかる。2023/08/13
rosetta
38
5ヶ月後に刑期を終えて父親が出てくると自分と母親に害をなすと考えアンドレアは父親が38年前の殺人事件の犯人である証拠を見つけて終身刑にしたいと思う。現在のアンドレアと38年前のエミリーの語りが交互に続く。エミリーを殺したのは妊娠させた男なのか?また現在では判事への脅迫の他に郊外の農場でのカルト集団による自殺へ追い込むようなメンバーの虐待もある。そしてこのカルトの主宰者達は過去の事件の容疑者でもあった。終始陰鬱な雰囲気で物語は進むが人間の負の側面を直視する作者の視線は、それでもどこかに救いを求めているようだ2023/02/12
星落秋風五丈原
36
エミリーの三人称による過去パートと、アンディの現在パートが交錯して描かれる。妊娠がわかるまではエミリーはクラスで人気者集団(結社と呼んでいる)の一員だったが、事実が知られた途端に、友達と信じていた人達からも軽蔑される。家族は大学を辞めて出産してから再度学べばいいと言い、今勉強したいエミリーの気持ちを誰も理解しない。家族の中で唯一の女性である母親でさえも、自分のキャリアばかり気にしている。皮肉な事に、全てからそっぽを向かれた時初めて、下巻である人物に熱く語るエミリーは、上巻とは別人のようだ。2023/02/20
わたなべよしお
31
流石な展開力で、見事でした。スローター さんは間違いなく、当代トップのクライムライターです。それよりも解説を読んでいて驚いたのですが、この作品って「彼女のかけら」の続編なんですね。慌てて、確認すると、確かに「かけら」はアンドレアが31歳の時の話でした。全く気づいていなかった。2023/02/03