出版社内容情報
カーラ・ケリー[カーラケリー]
著・文・その他
佐野 晶[サノアキラ]
翻訳
内容説明
子爵の非嫡出子として、18歳になるまで女学校に閉じ込められていたポリー。そんな彼女にとって、異国の姉を訪ねるため乗った船上での日々は初めて知る外の世界だった。荒くれ男に囲まれ不安だらけの箱入り娘に手を差し伸べたのは、海兵隊の中佐ヒュー。ハンサムで紳士的な彼にポリーは惹かれていくが、相手は19も年上のエリート将校、自分は美しい姉達に憧れる醜いアヒルの子でしかなく…。
著者等紹介
ケリー,カーラ[ケリー,カーラ] [Kelly,Carla]
大学でラテン・アメリカの歴史を学ぶ。歴史的な興味から、西部開拓時代を舞台にした短編を執筆したのち、英国摂政期のロマンスを手がける。執筆活動の傍ら、今も歴史の研究を続けている。RITA賞を2回受賞するなど、権威ある賞の受賞歴も多数。さまざまな階級の人々の暮らしを温かな目線で描き、圧倒的な支持を得ている。大学教授を引退した夫とともにアメリカのユタ州に暮らす
佐野晶[サノアキラ]
東京都生まれ。獨協大学英語学科卒業。友人の紹介で翻訳の世界に入る。富永和子名義でも小説、ノベライズ等の翻訳を幅広く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとちゃん
14
戦争はいつの時代も、どんな場所でも過酷で辛いもの。とはいうものの、多くのリージェンシーロマンスの舞台は、戦場そのものが舞台になることは少ないと思う。このボリュームでロマンスを成立させつつ戦場の非常さを描いた本作は、読み応えがあった。2022/12/13
harutamano
14
"ブランドン、きみはぼくが生涯持つことのない妻だ"ふぉお〜💕きゅん度が高いですなあ〜!ってニヨニヨしてたらうわーっ!"ヒュー、ダーリン"!!荒波が凄すぎます!でも、カーラ・ケリーだからッ!ぐああーっ!軍曹ーッ!!ぶあぁあボロ泣きで読み終えました。 どこか遠い港でしている戦争が、負傷兵が運び込まれる現場に立つようになりついには渦中へと…しかも戦場になっている土地の人間や非道な敵にさえも愛する人や守りたい家があるのだとこんなにがっつり描いてくるカーラ・ケリー…2022/11/26
aiko
7
『海峡の英国紳士』最終巻。何年も邦訳を望んでいた作品でロマンス小説としては重い題材だったと思いますが、出版社様に感謝です。 三姉妹の末娘ポリーは姉を訪ねる旅の途中海兵隊中佐ヒューに助けられる。その後戦地で囚われた二人の辿る過酷な旅で出会う人々の描写や、どんな時もユーモアを失わないヒューと大きな人間的成長を遂げるポリーのロマンスは大変魅力的。ナポレオン戦争期を舞台に歴史小説的側面も強く、今までのカーラ・ケリー作品から更に一歩踏み入った感があります。 原書での時も思ったけど、この頁数なのに本当に内容が濃い。2022/11/11
Roca
2
読んだのは2023年。主人公CPがとにかく大好きな、私的には最高のロマンス小説。三人姉妹の控えめな末っ子のポリー(18)が若々しい茶目っ気と世話焼きおじさんのハイブリッドな海兵隊中佐ヒュー(37)と出会い、気に入られたと思ったら二人してとんでもない苦境に陥ってともに逞しく睦まじく乗り越えてゆくお話。年齢差のある二人のやりとりがどこまでもかわいくて愛しい。ナポレオン戦争が背景どころかガッツリ二人の運命にも絡んでくるので、ロマンス小説とは思えない重苦しさもあります。まあ、予定調和ではあるけれど。
ユキタ
1
シリーズ3部作最終巻。巻を重ねるごとに戦争の存在が色濃くなり、とうとうゲリラ戦に巻き込まれるヒロインとヒーロー。たぶん、普通のヒストリカルロマンスを期待して読むと面食らうシリーズだけど、私はこのシリーズすごく好きだ。私は戦争シーンよりふたりの年の差に面食らった。2023/01/05