出版社内容情報
周 浩暉[シュウコウキ]
著・文・その他
阿井幸作[アイコウサク]
翻訳
内容説明
龍州市で怪事件が発生した。ある男はゾンビのように人の顔を食いちぎり、またある男はハトのようにビルから飛び立ち死亡。まもなく“生死を操れる”という催眠師による犯行予告がネット上で発見され、数日後に開かれる催眠師大会への参加が判明する。刑事の羅飛は、大会主催者で催眠療法の第一人者といわれる凌明鼎に協力を仰ぎ、捜査を進めるが、その先には恐るべき陥穽が待ち受けていた―。
著者等紹介
周浩暉[シュウコウキ]
中国で圧倒的な人気を誇る推理小説家。江蘇省揚州市生まれ。清華大学修士課程修了。これまで10作以上の著書がある。“死亡通知書”シリーズは本国で累計120万部以上を売り上げた。作品は複数の言語に翻訳され、数多く映像化されている
阿井幸作[アイコウサク]
北海道生まれ。北海学園大学卒業。北京市の中国人民大学に語学留学中に中国のミステリ小説に興味を持ったことがきっかけで、ライターと翻訳家の道へ。北京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
58
『死亡通知書 暗殺者』を未読でも大丈夫、と聞いたので前日譚のこちらから。これも3部作になるとのこと。いきなりゾンビのように顔を食いちぎる事件から始まったのでどんなホラーか?と覚悟して読み始めた。催眠師なるものが現れ、だましたはずがだまされ。誰が味方か、二転三転これは楽しかった。美男美女ばかり登場するのはなんで?と疑問に思ったが…。羅飛・刑事隊長のキャラがいいなぁ。そしてこれまた思わせぶりな終わり方で気になる。カタカナより漢字の登場人物名の方が苦戦したのは私だけかな。2022/09/16
路地
53
『死亡通知書 暗黒者』とは主人公が同じなだけの独立した前日譚かと思って読み進めていたら、まさかの繋がりに驚愕。続編が気になり、更には読了作まで再読したくなる繋ぎ方が超一流だと思う。作中で乱れ打ちされる催眠術には細かな科学的根拠的な解説がされるものの、終盤はその理解を半ば諦めて登場人物と一緒に惑わされ振り回されることを楽しみつつ読んだ。死亡通知書シリーズも含め、とにかく続編が早く読みたい。2024/03/19
Shun
38
初読み中国作家。過去にこのミス海外編にランクインした「死亡通知書 暗黒者」の前日譚にあたる警察ミステリー作品です。中国の警察が描かれる小説ということで以前読んだ陳浩基さんの「13・67」等の華文ミステリが思い浮かび、こちらも導入から一気に物語に惹き込まれる面白さがあり優れたミステリ作品でした。タイトル通り催眠師が要となる事件が起こり、やり手の刑事・羅飛は業界に詳しい催眠師・凌明鼎の協力を得て捜査に乗り出す。催眠術の影響が疑われる不可解事件を前に、証拠を上げる難しさと敵の強大さが手に汗握る展開を演出する。2022/09/06
星落秋風五丈原
28
龍州市で奇妙な連続怪死事件が発生。やがて生死を操れるという「世界一の催眠師」を名乗る人物による犯行予告がネット上で発見される。刑事の羅飛は、催眠療法の第一人者である凌明鼎に協力を仰ぎ、捜査を進めるが。催眠術といっても「本人が望まない事は強制できない」のが不文律である。それなのに本編では、ある男はゾンビのように人の顔を食いちぎり、またある男はハトのようにビルから飛び立ち死亡。もともと猟奇的な性格だったわけではもちろんない。2022/10/02
シキモリ
23
「死亡通知書・暗黒者」の前日譚らしいが、未読でも然程問題なし。華文ミステリは陳浩基氏の作品しか読んだことがなかったが、理路整然として上品な印象は今作も同じく。催眠術師の能力がサイキックさながらだったり、登場する女性が全員絶世の美女という御愛嬌もありつつ、芯の通ったエンタメ警察小説に仕上がっている。如何様にも盛り上げようのあるクライマックスからラストシーンにかけて、淡々と収束させてしまうのは勿体ない気もするが、これはこれでアリだと思った。今作に関して、無理目な設定の数々に突っ込むのは野暮というものでしょう。2022/09/12