内容説明
総統選の投票7日前、台北市で演説中の現総統が狙撃された。直ちに捜査を開始した警察は、近くのホテルの一室からライフルの薬莢2つを発見する。だがそれは、一命を取り留めた総統から見つかった弾とは合致しないものだった。その頃、熱炒店に身を潜める狙撃手小艾は、元刑事老伍に呼び出されて現場付近にいた。嵌められたと気づき、消えたライフルの弾の行方を追ううち、政界の闇が浮かび―。
著者等紹介
張國立[チョウコクリツ]
輔仁大学日本語文学科卒業。『時報週刊』元編集長兼社長。数カ国語に通じ、歴史、軍事、各種兵器、スポーツ、美食文化、旅行、小説など幅広い分野に精通している。これまでに刊行した著作は60作近くにのぼる。時報文学賞、皇冠大衆小説賞など受賞歴多数
玉田誠[タマダマコト]
神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒。台湾において日本ミステリの紹介や台湾ミステリの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
路地
41
台湾、イタリア、スイスと場面移動が多く躍動感に満ちた前作と比べると、本作は台湾、日本間の移動はあるものの、登場人物たちの経歴やその心理の動きに焦点が当てられているように感じる。前作と変わらないのは、現場で命を懸けて奮闘する老伍や小艾はどこまでも駒として扱われる一方で、権力とカネを巡って政争を操る黒幕である政治家、有力者たちの腐敗が際立っているところ。次作の翻訳が待ち遠しい。2025/05/28
わたなべよしお
23
うーむ。まぁまぁというか、そこそこ面白いし、3作目も読みたい、とは思っている。けど、1作目の方が好きかな。今作は実際に台湾総統選で起きた事件をモチーフにしている。事件の謎解きに、銃による戦闘シーンもあって悪くはない。しかし、これは原文の問題なのか翻訳なのか分からないが、全体的に意味が取りにくい。え?っと読み返すことがたびたびあった。2025/04/15
Naoko Takemoto
9
一作目の評判良く、私も楽しめた作品だが、Amazonの星評価が低くて不安を感じながら図書館から順番が回ってきた。久々にガッツリしたミステリ読書で、まあ、なんとか読み切ったが……星の低さは納得。台湾総統選挙の候補者の演説中の銃撃事件。政治的策略に巻き込まれる〔ガイ〕、と書くとオッ、と思われるだろうが、これが生半可じゃいかない。なせそこに〔ガイ〕?みたいな。小説だからといってやりすぎはいかんよ。作者、高梁酒を飲みすぎたね。2025/06/12
鴨の入れ首
5
2025年3月刊。図書館本です。2004年台湾総統選挙を題材にしたサスペンス小説だそうです。ヒリヒリするような謎解きに銃撃シーンもあって、とても面白いと思いました。ボリューミーな小説ですが、それと思わせない充実した内容だったので、続編もあれば読みたいと思います。2025/04/26
パン太郎
4
面白かったです。モデルとなった実際の狙撃事件や文中に出てくる四海集団のくだりなど、いろいろと深読みしつつ、作者は骨のある方なんだなと感心もしました。前回に続いて主人公の語り口が絶妙で好きなのですが、これは翻訳も良いのでしょう。また相変わらず出てくる食べ物がどれも美味しそうです。続編も決まってるそうなので楽しみ。2025/05/12
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- 和書
- 本当に怖い話G-MAX闇