内容説明
世界のどこともわからない場所にその本屋はある。店の前には神秘的な桜が一本たたずんでいて、なかでは少女と三毛猫がコーヒーを淹れながら次の客が来るのを待ちわびている。この店に来られるのは後悔や悲しみを抱えている人だけ。店と客をつなぐのは一冊の本―桜の季節そのページをめくったときに店への扉は開かれる。読書メーター読みたい本ランキング単行本部門 週間(2025/3/28~4/3)1位。
著者等紹介
浅倉卓弥[アサクラタクヤ]
札幌生まれ。作家・翻訳家。東京大学文学部卒業。2002年『四日間の奇蹟』にて第1回『このミステリーがすごい!』大賞(金賞)を受賞、同作は映画化もされ、ミリオンセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikutan
67
『四日間の奇蹟』の浅倉さんの最新刊は、本好きにはたまらない、ちょっと不思議な本屋の奇蹟の物語。三毛猫のコバコと一人の少女が待つその店の名前は〈咲良〉。よく晴れた春の日の、満開の桜の樹の下で、少女と同じ本の同じ箇所を、同じ季節の同じ時刻に読むことで訪れることができるという。『星の王子さま』『夢十夜』『ピーター・パンとウエンディ』『春と修羅』。それぞれの物語に導かれ、この奇蹟を押し売りするというお店を訪れた人たちに、不思議なできごとが起こる。最終話ではその繋がりが明らかに。心躍る優しい物語でした。装丁も素敵。2025/07/14
茜
58
私は読書をする人を惹きつけるワードとして、図書館、本屋、あとは人それぞれに合ったタイトルだと思っています。その点で言えば本書は読書好きな方は興味が惹かれるのではないかと思います。ストーリーは4話からなる短編連作でどのストーリーも心温まるものです。そしてその中で引用されている図書がまた良いです。「星の王子様」サン=テグジュペリ、「夢十夜」夏目漱石、「ピーター・パンとウェンディ」ジェームズ・M・バリー、「春と修羅」宮沢賢治。これらが一話ごとに引用されているのも人気がある理由ではないでしょうか? 2025/06/23
ほのぼの
54
三毛猫の鳴き声に誘われ夢のように現れる不思議な本屋。枝垂れ桜の花びらが舞う。とても綺麗な物語。そして読書が好きな人にはきっと刺さる。『星の王子さま』『夢十夜』『ピーター・パンとウェンディ』『春と修羅』4冊の名作。どれも有名だけど難解。わかるようなわからないような…。でも何か心に響く。それが何故なのか。言葉の力。想像力。そこにはもう「奇蹟」がおきている。【本とはまさに未知への扉だ】この本を読むと次々と本が読みたくなる。そしていつか奇蹟の道が繋がることを願う。本が好きな人みんなにおすすめしたい。2025/06/08
hirokun
52
★4 浅倉卓弥さんは初読みの作家さんか?ファンタジーの色彩が入った連作短編集。心温まる作品で、読後感もホッコリ。文字は想像力と一体化することにより、新たな世界を切り開いてくれる。2025/06/17
tan
39
はじめましての作家さん。皆さんがおっしゃる通り「コーヒーが~」に酷似でもあるし、清水晴木や青山美智子のようでもあって、あんまり心が動かされませんでした。本の上下も凄く空いていて実際は文庫本程度の量しかないのでは?このスカスカ感が更に残念でした。期待して読んだので辛口コメントになってしまいすみません。2025/07/22
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