出版社内容情報
本を愛するすべての人へ。
フランスで26万部突破、
36カ国で刊行のベストセラー小説
彼は今日も朗読する――死にゆく本を“天国”へ送るため。
パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、
本を〝死〟へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。
生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して〝往生〟させるのが日課だが、
憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める――。
読後きっと、いつもの景色が違って見える。
人生の葛藤と悲哀、希望を描いたベストセラー小説。
内容説明
パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、本を“死”へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して“往生”させるのが日課だが、憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始め―。
著者等紹介
ディディエローラン,ジャン=ポール[ディディエローラン,ジャンポール] [Didierlaurent,Jean‐Paul]
フランスのヴォージュ県在住。短編で二度、ヘミングウェイ賞を受賞している。『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』は長編としてはデビュー作
夏目大[ナツメダイ]
大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。SEとして勤務したのち翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K
124
タイトルに惹かれ読了。物語上の大きな起伏やどんでん返しこそ無いが、その点もこの作品の魅力なのだと思う。言うなれば「一風変わった登場人物たちの変わらない日常」といったところか。本好きの主人公が本を破壊する仕事をしながら生き残りを朗読していたり、両脚を失った友人がその"欠片"を集めていたり、トイレの接客係の女性が白馬の王子様を待っていたり...彼ら・彼女らと心を通わせながら、その日常を覗き見て、ちょっとした変化や出来事にクスッと笑ったり、ジーンと感動出来る素敵な物語でした。あとジュリーのおばさん語録最高(笑)2018/09/25
ちょろこ
110
イメージは花茶、の一冊。じんわり静かに沁みてくる、素敵な物語だった。毎日をギリギリ正常値で生きているような一人の青年。楽しいとは言えない労働、朝の通勤電車での朗読と、単調な毎日が綴られる中、次第に明らかになる本を朗読することの意味、彼の友人への想い。それを知った時には思わず涙腺が緩むほど。そしてそんな彼の日常が一つの落し物との出会いから変わり始める。それはまるで花茶がゆっくり花開いていく感じ。ゆっくりゆっくり眺める感覚。とても心地良い。ラストの展開にキュン。文字が繋ぐ縁、言葉に宿る心、大切にしたくなる。2019/08/25
どんぐり
82
フランスのベストセラー小説。通勤電車のなかで何年ものあいだ同じ駅から乗って同じ時間に朗読をする主人公のギレン。彼が声を出して読むのは、本の裁断工場から回収した役にも立たない本の紙片だ。彼にとって朗読という行為は、この世の中で不要となったものへの供養の意味があるようだ。ある日ギレンは、ショッピングモールのトイレで働くジュリーという女性の日記が記録されたメモリースティックを拾う。彼はジュリーの日記を朗読の日課に加える一方、彼女を探し始める。裁断中に失った元同僚の両脚を含んだ再生紙でできた本を探すエピソードもあ2018/07/20
星落秋風五丈原
62
パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、「荒唐無稽な」「こけおどしめいた」といった意味の「グラン・ギニョール」と間違えられやすい自分の名前が気に入っていない。もう一つ気に入っていない事がある。一方では余った本を処分する仕事をしながら、こっそり生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して〝往生〟させていた。そんな彼が、ある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める。そんな彼が、ある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める。詩のようなタイトルがおしゃれ。2017/07/25
鱒子
61
朗読と本の断裁という設定が興味深い本。静かでおしゃれなフランス映画になりそうな内容です。細かな描写が続き、空気感を楽しむべき本かな、と思いながら読み進めましたが、ラスト数ページで心わし掴みです!最後のその先が気になる、素敵な本でした。2018/07/04
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