出版社内容情報
クリスティン・テリル[クリスティンテリル]
著・文・その他
田辺千幸[タナベチユキ]
翻訳
内容説明
目覚めると、少女エムは傷だらけの体で独房に繋がれていた。排水口の奥には見覚えのない自筆のメモ。15行のリストの最終行には、ある人物の抹殺が指示されていた。対象者は天才科学者ジェームズ。メモによれば、これまで14回、過去に戻り未来を変えようとしたが失敗し、残された最後の手段はジェームズを―初恋の彼を殺すことだという。エムは意を決し、時のうねりに飛び込んだ。
著者等紹介
テリル,クリスティン[テリル,クリスティン] [Terrill,Cristin]
ヴァッサー大学でドラマの文学士号を取得したのち、英国のストラトフォード・アポン・エイヴォンにあるシェイクスピア研究所で修士号を取得。小説を執筆する以前はさまざまな劇場でステージマネージャーを務めた。ワシントンDCの郊外に暮らし、子どもたちに小説の書き方を教えている
田辺千幸[タナベチユキ]
ロンドン大学社会心理学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょき
45
まるでハリウッド映画のようなダイナミックに展開するストーリーで激しく映画化を希望したい。大ヒットしそうな気もする。シナリオがまたなかなか凝ってて、よくあるタイムスリップものかと舐めて読んでたらヤケドはしないけど思わぬ展開にうーん、痺れた。男女3人の過去と未来のそれぞれが6人が一同に対峙する場面などはもう先が気になってページをめくる手がとまらなかったほどで、初めから最後まで飽きることなく一気に読めた。記憶は時空を超えるのだろうか....。切なさと希望ともどかしさが入り混じる余韻。2018/12/14
あさうみ
37
タイムスリップSFサスペンス。タイムトラベルが可能になり最悪になった今を変えるために、少女エムは親友フィンと過去へ遡る。未来を変えるためには、タイムトラベルを開発した少年ジェームズを殺すしかない。しかし、天才少年ジェームズはフィンとエムの親友であり、そしてエムの初恋のひと。彼を殺さないと過酷な未来が待っている、でも大切なひとを殺したくない。そして、現在の愛と過去の初恋で揺れるエム。その葛藤がよくわかる。切ないが青春小説として読めた。2018/03/01
たまきら
24
主人公が恐ろしい拷問にあう場面から始まりますが、徐々に三人のメインキャラクターの関係が紹介されていくにつれ、悲しい運命がわかってきます。自分が高校時代を過ごした町のお話なので、既視感があるのも良いところ。ヤングアダルトにふさわしいピュアなタイムトラベルものでした。 2021/10/28
さな
12
あらすじに惹かれて購入。タイムスリップをテーマにしたSFサスペンス。昔からある、世界を破滅に導く人物を主人公が過去へタイムスリップして殺す、という設定。“エム”視点では過去と現在の恋に挟まれる苦悩が印象的。何とかして未来を変えようとするべく奮闘する姿がかっこよく、頼もしい。“マリーナ”の視点では素直に恋心を表し、状況を真摯に受け止め、ジェームズを助けようとする姿が可愛かった。時間という人間が踏み入れてはいけない概念を武器にする組織が恐ろしい。自らの手で未来を変える少年少女の切なさに胸がいっぱいになる小説。2018/02/25
hisa_NAO
9
20歳の女性Mは、世界を"正しく"するために15回目ーどうやら14回は失敗したらしいーのタイムトラベルで、16歳の時に大好きだった彼を殺しに行く。遡る時は、4年。16歳と20歳。それぞれの視点・気持ちで語られて行きます。 ロマンス小説らしく、主人公はカッコイイ男の子達に好かれ、両者の間を揺れて、この緊迫した状況でオイオイ状態になったりする。 幼馴染で親友で、カッコよくって天才。でも、繊細過ぎて癒えない心の傷を抱えてて。女の子の夢・王子様のいち類形か?天才じゃなきゃ、大きな問題にならなかったのにねー。2018/03/03