出版社内容情報
ステファン・アーンヘム[ステファンアーンヘム]
堤 朝子[ツツミアサコ]
内容説明
休日の教室で両手を切断された男の死体が見つかった。傍らには男の写る30年近く前のクラス写真が残され、時を置かず別のクラスメートも凄惨な死を遂げる。容疑者はかつてクラスで壮絶ないじめを受けていた人物。数年前、その足取りは忽然と消えていた。一人また一人と犠牲者が増えるなか、自らも同級生である担当刑事リスクは恐るべき罠に嵌っていき―。本年度最注目の北欧ミステリー!
著者等紹介
アーンヘム,ステファン[アーンヘム,ステファン] [Ahnhem,Stefan]
スウェーデンのヘルシンボリ出身。ヘニング・マンケル原作のドラマ“ヴァランダー”シリーズをはじめ、数々のドラマや映画で脚本家として活躍。『刑事ファビアン・リスク 顔のない男』で作家デビュー。優れた新人作家に贈られるスウェーデンのクライム・タイム賞を2015年に、2016年には読者投票によるドイツの犯罪小説賞MIMI賞を受賞。ストックホルム在住
堤朝子[ツツミアサコ]
東京都出身。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
工藤さんちの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
355
言い訳のしようもない判断ミスをクールにさらっと犯して民間人を死なせ、それでも懲りずにバリバリ違法捜査をこなす主役刑事に、他所をクビになって、しかも事件に関係している可能性のある不良刑事を、躊躇いもなく捜査チームに引き入れる女警視。入口に警官が見張りについている病室で人が死んでいても、天井のダクトを調べることを思いもつかないコペンハーゲン警察。現場の指紋を見逃す鑑識。クラスの集合写真があんなことになっていた理由や、アノ人がコノ人のそんなところにクリップ忘れた経緯の説明は一切なし。でも面白くて満腹感ある。2019/02/09
ふう
83
一人で北欧ミステリーフェアなどと盛り上がって(はまって)30冊。一番多いのはスウェーデンの作品ですが、読むたびにスウェーデンが抱いているイメージとは違って怖ろしい国に思えてきます。人が殺される場面はどの国のミステリーも怖ろしいものですが、アメリカのようにピストルで1発というのではなく、怨念を込めてじわりじわりという感じで本当にひどい…。その分、殺人者の恨みや追う警察側の心理状態がこちらにもひたひたと伝わってきて、途中で閉じられませんでした。警官たちの家庭の問題や職場の人間関係など、抱える悩みも相変わらず。2016/11/22
NAO
66
部署を移ったばかり、なんだかいろんな過去を背負っていそうな刑事ファビアンが、かつての同級生の殺害事件に遭遇。クラスの集合写真には、確かに、誰だっけとどうしても思い出せない人がいる。目立つ者にではなくそういった顔のはっきりしない人物に目を向ける話は、陰湿になりがちだ。その暗さばかりが強調されて、動機が薄いような気がした。2020/08/06
アッキ@道央民
53
北欧を舞台にしたミステリー作品はこの作品が初。スゥエーデンのストックホルム警察からデンマークにも近い港町のヘルシンボリに越して来た主人公のファビアン・リスク刑事。休暇中だったはずが、彼の学生時代の同級生が残忍な手口で殺害される所から始まっていく。一人また一人と同級生が殺害されて行くのになかなかつかめない真犯人。物語の半分過ぎた頃から先が気になり最後は一気読み。かなり屈折した犯人。猟奇的殺人を重ねるやつってそんな感じなんだろうけど。ラストの展開は多少強引な感じもしたけど面白い作品でした。2018/03/16
*maru*
47
大好物の北欧ミステリ。またシリーズものに手を出してしまった。ストックホルムを離れ、新しい職場であり故郷でもあるヘルシンボリへ家族とともにやってきたファビアン・リスク。彼の到着を待っていたかのように、猟奇的な殺人事件は幕を上げた。手を切断されたり足を砕かれたり。時間をかけ残忍な方法で殺害された被害者は皆、ファビアンの同級生だった。ツッコミどころが多かったもののストーリーはとても面白く、これくらいぶっ飛んだ犯人が相手だと読み応えも抜群。初っぱなからボロボロのファビアンが心配だし、彼の過去も非常に気になる。2020/04/23