内容説明
ミレニアム・シリーズで知られる作家スティーグ・ラーソンは、その生涯をかけて、ある事件を追い続けていた―1986年にスウェーデン全土を震撼させた首相暗殺事件。だが玉石混淆の情報が交錯し警察の捜査は難航、事件は迷宮入りする。やがてラーソンは世界的ベストセラー作家になることも知らぬまま急逝。そのとき彼は暗殺の真相に肉薄していた。未公開資料を入手した著者が、小説を超える闇を暴く!
著者等紹介
ストックラーサ,ヤン[ストックラーサ,ヤン] [Stocklassa,Jan]
スウェーデンのジャーナリスト。国際政治に関わるスケールの大きな諸問題に焦点を当て、物語性の高いノンフィクションを著す。元外交官であり、チェコのプラハでの新聞創刊、スウェーデン国内外の主要メディアとの協業、ドキュメンタリー映画の共同製作など、活動範囲は多岐にわたる
品川亮[シナガワリョウ]
月刊誌『STUDIO VOICE』元編集長、現在フリーランスとして執筆・翻訳・編集を手がける
下倉亮一[シタクラリョウイチ]
千葉大学法経学部卒、信州大学大学院修了(経済学修士)。専門はスウェーデン経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
34
「ミレニアム」のスティーグ・ラーソンがスウェーデン首相の暗殺事件を追っており、遺されたアーカイブを使いながら著者が苦労を重ねながら、真相へと迫っていくノンフィクション。小説さながらのドキドキの展開もあり、国の裏事情も知れ、とても、読み応えがありました。闇の恐ろしさ。2020/07/19
タカギ
29
1986年スウェーデン首相オーロフ・パルメが暗殺された、と聞いて「へえ、そんなことあったんだ」というのは、平均的な日本人の反応だと思う。「そうそう、未解決なんだよね」と答えられたら、尊敬してしまう。『ミレニアム』の作者として世界的な評価を得たスティーグ・ラーソンの本業は極右と戦うジャーナリストで、パルメ暗殺事件の調査もしていたらしい。この本の著者は紆余曲折あってスティーグのアーカイブにたどり着いている。スティーグのジャーナリスト活動は興味深かったが、暗殺事件はすっきり解決できたとは言い難い。2020/11/17
icchiy
18
あの「ミレニアム」の著者スティーグ・ラーソン氏が追っていたスウェーデン首相暗殺事件の真相を追う、ただし本が完成する前に彼は逝去している。それを引き継ぐ形で本書が事件の真相を追っていく。スティーグが残した膨大な資料アーカイブから、更に独自の取材で真相暗殺の闇を暴いていく。ドキュメンタリー風でもあり、ミステリー小説っぽさもありで面白かったです。ただ、事件の真相が混み合っているので人物とその国の背景を把握するのに手間取ります。 2024/01/10
スプリント
15
ミレニアムの著者が極右と戦うジャーナリストであったこと、スウェーデンの首相が暗殺され、その真相がまだ明らかになっていなかったことなど初めて知ることばかりでした。 前半はすティーグ・ラーソンの活動について書かれ、後半は著者がラーソンの情報を引き継いで真相を追う展開になっていまう。協力者である女性の正体が気になります。2020/11/23
Yoko Kuyama
5
事実は小説よりも奇なり。これ本当なの!?という恐ろしい現実、ミステリ小説より残酷な現実かも。 スウェーデンいち有名な事件の詳細、そして右翼過激派とはなにかを知る、という意味でもとても勉強になりました。 2020/07/27