内容説明
9人死亡、12人負傷―国内テロを請け負う殺し屋エディソンは、ファストフード店で銃乱射事件を起こし、8歳の少女を現場から連れ去る。きっかけはマヨネーズ入りのバーガー。卵アレルギーの彼に対し致命的な手違いが起きたのだ。少女はなぜか逃げようとせず、やがてエディソンの“娘”として仕事を手伝い始める。だが殺しから殺しへ渡り鳥のように暮らす2人に、運命は思わぬ代償を課し―。
著者等紹介
フィーゲル,マイケル[フィーゲル,マイケル] [Fiegel,Michael]
アメリカでカルト的人気を誇るテーブルトーク・ロールプレイングゲーム『ニンジャ・バーガー』などを生み出したゲームデザイナー。『ブラックバード』が作家デビュー作となる。妻とシアトルに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南雲吾朗
63
殺し屋と少女の物語り。この組み合わせは「レオン」を連想する人が多いが、この小説は全く違う。海外の連続テレビドラマを見ているような感覚なので、まったく飽きない。文章がおしゃれで粋である。交互に現状を語るその記述はどういう場面にいるのかがすごく明確に読者に伝わる。ありえない状態が本当にあり得るように伝わってくる。久々に単純に読書を楽しめた作品だった。2019/08/31
あさうみ
50
バイオレンスクライムロードノベル。映画「レオン」を見返したくなる。マヨネーズアレルギーの殺し屋に拾われた幸薄い少女。その親子とも恋人とも形容できない関係が邪悪な暴力でほの暗いなか、ねじれ奇妙に甘い。なんといっても、ざらざらした悪に、哀愁ある余韻をひく言葉運びを織り込む和訳がすごい。2019/08/15
星落秋風五丈原
41
殺し屋エディソンはファストフード店で頼んだハンバーガーにマヨネーズが入っていたので銃乱射事件を起こす。粗筋を読むとどうしても映画『レオン』を想起するが、もう少し生々しい。2008年から2018年までの二人の関わりを男女視点交互に描く。これは勿論両者の心理を対比させるためで、描きたいのは恋愛。レオンとマチルダはプラトニックだったが今回は際どいシーンもある。『レオン』で二人が過ごした時間は短かったが、今回はクリスチャン改めXチャンが8歳の少女から18歳の美しい女性に変わってゆく時なのだからかえって自然だろう。2019/11/04
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
34
殺し屋の男が8歳の少女をさらいそのまま殺しの旅へ。もともと家庭的とは言えない家に育った少女は男から武器の扱いや逃げ方、とっさの闘い方を学び男と肩を並べて殺し屋となっていく。生活感のない安ホテルと場末のファストフード店で食べるポテトフライやダイエットコーク。少女の女性としての成長に戸惑う殺し屋エディソン。どうして少女を誘拐したのか、殺し屋組織の黒幕は誰か、エディソンが誰なのかはっきりしないまま終わった様な気がするけど、これはそういう作品ではないのかもしれない。少女と殺し屋の何年かの暮らしで全て終わる作品。2019/09/18
あっちゃん
28
あらすじを見る限り映画レオンを想像して手に取る!実際は内容はともかく印象がだいぶ違う(笑)うーん、ストイックな殺し屋というより、くたびれた中年オッサンという雰囲気のせいか?まぁ、それが面白い所か( ̄▽ ̄)2023/05/28