内容説明
1カ月後にプロポーズを計画していたぼくの前から、愛するレイラは忽然と消えた―。必死の捜索も虚しく行方不明のまま彼女は死亡したとみなされ、あれから12年。ぼくはようやく前に進むべくいまの恋人との婚約を決めた。だがその矢先、レイラが肌身離さず持っていたのと同じ人形が家の前で見つかる。そして匿名の不可解なメールが届くようになり…二転三転の展開から目が離せない、イヤミス×純愛!妄執サイコ・サスペンス。
著者等紹介
パリス,B.A.[パリス,B.A.] [Paris,B.A.]
フランスとアイルランドの血を引く。イギリスで生まれ育ち、その後フランスへ。国際銀行でトレーダーとして働いたのち、夫と語学学校を立ち上げた。処女作となる『完璧な家』(原題“Behind Closed Doors”)は英国で100万部を突破するベストセラーとなった
富永和子[トミナガカズコ]
東京都生まれ。獨協大学英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆのん
78
『完璧な家』の作者、B・A・パリスの新作っ!!早速発売日に購入。物語は3部構成になっている。1部は現在と過去。2部は男性と女性。3部は一気にクライマックスへ。途中、話しの落ちが分かったと読者に思い込ませるのが上手い。まんまと肩透かしを喰らう。愛情もここまで来ると危機迫るというか、狂気と化す。それでも確かに純愛。自分的には次回作も邦訳されるならば絶対購入の作家。1272019/04/20
あさうみ
55
今回は男性側が翻弄される作品だ。読むにつれて疑心暗鬼に陥り、不協和音を奏でる。一体何がどうなっているのか引き付けられるものの、若干焦らしすぎというか…フラストレーションたまり主人公を正座させて説教したくなる(?)イヤミスにしない方が良かったんじゃ…最後の一文は好き。2019/07/01
momi
42
「十二年前、愛する君が消えました。」新しい人生を歩みはじめた男。そして幸せな結婚が控えている二人に気味の悪いことがおき始めるのだが…男がつく小さな嘘が気にかかかります。愛をとるか、穏やかな今の生活をとるか…男の心は揺れ動く!思いこみが激しく男を取り戻そうとする女の行動が怖すぎて震えが止まらなくなりそうでした!ひぃ〜!まさしく愛は人を狂わせる!泥沼愛憎劇!愛をためしてはいけない!二転三転と衝撃と驚きの展開!!そして…!!どうしてこんなにも悲しい結末が待ち受けていたのだろう…。ただ愛してただけなのに…。2019/03/27
星落秋風五丈原
36
フィンは「話した事が本当ではない」「彼女(レイラ)が生きているはずがない」などといかにも怪しげな事を言うので、早々に「信頼できない語り手」認定。第二部において二人目の語り手、レイラが登場したことで、ほうら、彼女に何かしたんだ?とフィンへの疑惑は更に高まる。但しもう一つの疑惑も浮上。なぜなら、「レイラを見た」と証言した人物とフィンが同じ場面にいた事がなく、語り手のレイラが生きているならば必ず会いたいはずのもう一人と一緒の場面もないからだ。おや、これはもしかして…とよくあるパターンを想像したらその通りだった。2019/04/22
うーちゃん
30
「完璧な家」が面白かったB・A・パリスの新作。12年前に失踪、死んだと思われていた恋人が、今では婚約者のいる主人公の生活を 脅かすようになり・・というお話。穏やかだった日々が少しずつ荒んでいき、登場人物が精神的に揺さぶられると、読み手の不安感も増大してゆく。ただ中盤以降は、人形(orメール)にビビる→疑心暗鬼に陥る、ということの繰り返しでやや一本調子。結末の苦さは嫌いではないが、あの真相にはちょっと意地悪な突っ込みを入れたくなってしまった。不穏さに満ちた作者の作風自体は好きなので、また次回作に期待したい。2019/07/18