内容説明
その日、キティは婚約破棄を言い渡され失意の底にいた。両親亡き今、裕福な名士との結婚だけが、借金を返済し幼い妹達を守る唯一の手段だったのだ。かくなるうえはと覚悟を決めた彼女は、新たな相手を見つけるため町を出て、一路ロンドンへ―母の旧友に手ほどきを受け可憐なレディに変身し、見事、社交界の注目の的となる。だが名門伯爵家の若き当主ラドクリフだけは容赦ない目でキティの思惑を見抜き…。
著者等紹介
アーウィン，ソフィー［アーウィン，ソフィー］ ［Ｉｒｗｉｎ，Ｓｏｐｈｉｅ］
イギリスのドーセット州生まれ。オックスフォード大学で学び、ジョージェット・ヘイヤーの作品をはじめとする歴史小説の研究に没頭した。出版社でアシスタントエディターとして数年間働いたのち、本書“Ａ Ｌａｄｙ’ｓ Ｇｕｉｄｅ ｔｏ Ｆｏｒｔｕｎｅ‐Ｈｕｎｔｉｎｇ”でデビューを果たす
兒嶋みなこ［コジマミナコ］
英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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しゃお
34
これは楽しい！楽し過ぎて思わずチマチマ読んでしまいましたw 母の死後、父親が莫大な借金を残して亡くなり、婚約者からは婚約破棄されたキティ。妹達の将来を守るためにロンドンの上流階級に潜り込み、見事に若き貴族の心を奪いますが、その兄のラドクリフ伯爵には魂胆を見透かされてしまいます。度胸と機転のきくキティはラドクリフ伯と同盟を結び、裕福な結婚相手を捉まえようとしますが、反目していた二人が互いを認めあっていく様子はユーモアたっぷりで実に楽しかったです。ホットシーンも無いのでロマンス初心者にもお勧めですね！2023/09/19
すがはら
31
楽しく読了。冒頭でテーマ表示のようにジェーン・オースティンの「高慢と偏見」が引用されているので登場人物それぞれを「高慢と偏見」の誰がモデルか、それなら今後はどうなるかと予想がたくさん浮かんでしまって没入までに時間がかかりました。でも、現代人が考える魅力と美点を加えるとこうなるんだという作品を提示された感じで、本歌取りの良さが現れたお話だったと思います。特に読書家でインテリと揶揄される妹が最後には価値を認めてもらえたり、何よりヒロインが自ら危険に飛び込んで男前な活躍をするあたり、まさに女子のための小説です。2024/01/27
アカツキ
22
5人姉妹の長女キティは両親を亡くして間もなく軽薄な婚約者から婚約破棄される。親の借金が返済できなければ家も姉妹も失ってしまう。キティはロンドンの社交界に出て一発逆転の結婚を狙おうとするが…。家族のために奮闘する聡明で強いヒロイン、ユーモアのあるストーリーでめっちゃ面白かった。ホットシーンがないのも好感度高い。残念だったのは教養美人の妹セシリーのエピソード。ピントのずれた娘でアレ？とは思っていたけれど…。シリーズ化されないかな、ほかの姉妹のロマンスも読みたい。2023/08/19
ゆるりは
21
両親は他界し家は借金まみれ、面倒を見るべき妹が4人もいて、さらに婚約破棄されてしまったキティ。借金取りに家を追い出される前に、ロンドン社交界でお金持ちの殿方から求婚されることができるか？というお話。 キティが妹思いで現実主義者の強いヒロインで、田舎から出てきて貴族社会でどんどん成り上がっていくさまが痛快でした。成長する姿にも感動。ユーモアも効いてます！2024/07/25
がんも
21
面白かった！それと同時にこの時代の女性の生きづらさもしみじみ…両親に先立たれた5人姉妹の長女キティ、残ったのは家と父親が残した多額の借金、この時代の女性の働き口などほぼ無い、有ったとしてもとてもとても借金を返しつつ姉妹を養って行くなど無理、そこでキティは母親の昔馴染みの叔母を頼り、お金持ちと結婚するために社交界に乗り込んでいく。キティの機転と頭の回転の良さ、妹の学友だった縁で知り合うラドクリフ伯爵家、当主であるジェイムズとの丁々発止のやりとり、借金返済期限が迫るハラハラ感、キティと姉妹達の運命は！！2024/07/05
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