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内容説明
メルはもうずいぶん長い時間、空のバスタブの中に身を潜めていた。リッツホテルのスイートルームの中は真っ暗で、部屋の主はまだ戻ってこない。メルの心身は限界に近づいていた。大胆にも見ず知らずの男性の部屋に忍びこみ、スパイのまねごとをするなんて、やっぱり私には無理だったんだわ。でも、もし本当にこの部屋の主が“デヴリン”なら一大スクープだけど。デヴリンは、今世界の出版界がもっとも注目しているミステリー作家だ。彼の私生活は謎に包まれ、素顔も明かされていない。突然、部屋の明かりがつき、男性が入ってきた。メルの姿を見つけた彼は、驚きもせず余裕の笑みを浮かべて言った。「そこから出たらどうだい」。
著者等紹介
ライス,ハイディ[ライス,ハイディ][Rice,Heidi]
ロンドンで生まれ育ち、二人の息子、夫とともに現在もそこに暮らす。イギリスの大衆紙デイリーメールと、そのアイルランド版姉妹紙で、十年間、映画批評家として活躍。その後、ロマンス小説作家に転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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