内容説明
スコットランド東部で、切り裂かれた腹に人形を埋められた遺体が見つかった。猟奇殺人鬼“インサイド・マン”が、8年ぶりに凶行を再開したのだ。犯人検挙のため協力を要請されたのは、殺人罪で服役中の元刑事アッシュ。かつて犯人を逮捕目前まで追いつめたアッシュは、仮釈放を条件に捜査を引き受ける。だが彼にはある別の計画があり―毒をもって毒を制す!CWA受賞作家が放つ、掟破りの警察小説。
著者等紹介
マクブライド,スチュアート[マクブライド,スチュアート] [MacBride,Stuart]
刑事ローガン・マクレイを主人公としたデビュー作『花崗岩の街』(早川書房)にて2006年にバリー賞新人賞を受賞。その後、CWA(英国推理作家協会)賞図書館賞を受け、名実ともに英国NO.1ベストセラー作家となる。現在、スコットランド北東部に暮らす
鍋島啓祐[ナベシマケイスケ]
英米文学翻訳家。東京都生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
62
はめられて刑務所で暴力にさらされる元刑事、彼を執拗に追い詰めるサディストな女、被害者の腹部に人形を埋め込んで半殺しで放置する犯罪者、少年をレイプする異常者、悲劇の会計士、全てが混沌たる暴力の世界だ。これでも人に魂が在ると云えるのだろうか?こんなにも肉体に支配された狂気の仕業を繰り広げる進化の道を誤った者たちに…確かに語り口に妙味はあるが、この作品にどこかユーモアを感じると云う解説の嘆かわしいほどの能天気さは作品の担う実世界の惨状を省みない現代人の無責任さを伺わせて悲惨ですらある。2021/11/02
星落秋風五丈原
21
えっユーモアですか。これ主人公逃げきれたんですかね。すごい復讐劇ですよ。2021/11/12
たーさん
15
いやぁー長かった(笑)長くてグロくてベビーなストーリーでした。無実の罪で刑務所送りにさせられた元刑事アッシュ・ヘンダーソン。服役中の彼に捜査協力を条件に出所出来る事になる。捜査協力を以来された事件は8年前に寸前で取り逃がしたシリアルキラー、インサイドマンの事件だった。女性のお腹に人形を詰め込む猟奇事件。2/3辺りまではなかなかゆっくりした流れでダレますがそれ以降は怒涛の展開。ただ前作を読んで無いから所々?な所がありました。次は別シリーズの「花崗石の街」が気になるので読みたいと思います。2022/04/09
只三郎
9
事件解決の過程がいまいちかな? 海外小説によくある登場人物達のストーリーも描かれているが、その内容も自分好みでは無かった。2023/08/17
Abercrombie
5
登場人物たちの人間関係が、さっぱりみえないと思ったら第2作だった(あらすじを読む限り、前作を手に取ってみたいとはまったく思わないが)。スコットランドの酷薄かつ非情な街で、グロテスクな戯画めいた連中に囲まれ、満身創痍の主人公が追うのは、八年ぶりに活動を再開した猟奇連続殺人犯。主人公は切れ者だし、ユーモラスな文体は読みやすいが、凄惨なバイオレンス描写に満ちた700pは正直キツかった。3日がかりで読み終えて、ようやくほっと一息である。2021/12/12