出版社内容情報
宮沢賢治(1896年―1933年)は今から約百年前に活躍した作家である。わずか三十七年の生涯であったが、膨大な作品(童話、詩、短歌など)を遺した。彼は自分の作品を心象スケッチと呼んだが、豊富な自然科学の知識が散りばめられているので科学の読み物としても高く評価できる。
そこで、本書では賢治の作品に基づいて、天文学の入門を試みる。宮沢賢治の作品をいくつか読んでおくと理解が深まることが期待される。
目次
1 賢治の人生
2 賢治の修羅と文学―詩集『春と修羅』をめぐって
3 賢治の修羅と文学―農業と童話「グスコーブドリの伝記」をめぐって
4 星好きとしての賢治
5 『銀河鉄道の夜』への基礎となる作品群
6 宇宙に時間がない頃
7 『銀河鉄道の夜』に学ぶ銀河
8 『青森挽歌』に学ぶ銀河
9 「いて座」の邪気
10 銀河の住処
11 動的ハッブル系列と宇宙の大規模構造
12 『銀河鉄道の夜』と『土神ときつね』に学ぶ星
13 賢治は太陽系に何を見たのか1
14 賢治は太陽系に何を見たのか2
15 『銀河鉄道の夜』に見る賢治の宇宙観
著者等紹介
谷口義明[タニグチヨシアキ]
1954年北海道に生まれる。現在、放送大学特任教授・理学博士。専攻、天文学
大森聡一[オオモリソウイチ]
1966年東京都に生まれる。現在、放送大学教授・博士(工学)。専攻、ジオロジー、岩石学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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