出版社内容情報
『枕草子』には、清少納言の人間観や美意識が明快に表現されているので、豊富な原文講読を通して、王朝時代の散文表現に親しみ、『枕草子』の全体像を解説する。また『枕草子』に顕著に見られる清少納言の批評精神を、当時の他の作品や、後世の文学作品も視野に入れて相対化し、現代に通じる価値観の発露として理解するとともに、文学的な達成と影響力を把握する。
『枕草子』という一つの作品を通して、多様な表現スタイルや、自由で洞察力に満ちた人間認識が、普遍的な文学精神の基盤であることを認識する。
目次
『枕草子』をどう読むか
『枕草子』の宮廷章段
『枕草子』の列挙章段
男性貴族たちとの交遊録
中宮定子の輝き
中の関白家と、一条天皇の宮廷文化
人間認識の深まり
子どもの情景と、「かわいい」の発見
多様化する文体
批評の論理と、季節の美学
論評する清少納言
『枕草子』の長編章段
清少納言の自画像
変容する『枕草子』
『枕草子』の達成域と、「枕草子文化圏」の展開
著者等紹介
島内裕子[シマウチユウコ]
1953年東京都に生まれる。現在、放送大学教授、博士(文学)(東京大学)。専攻:中世を中心とする日本文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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