出版社内容情報
貧困や格差とその解決はいつの時代も大きな問題だが、その原因、その弊害は時代とともに変わる。社会経済とその変化がどのように貧困・格差を生み出すのか、貧困・格差が社会にどのような問題をもたらすのか、社会の変化のなかで、絶えず生み出されていく貧困・格差問題とその対応について深く考えることを身につけることを目標とする。貧困が当事者のみならず社会にどのような弊害をもたらすのか考えてほしい。
目次
はじめに―貧困を考える
貧困と救済の歴史―貧困対策の変容
近代日本の貧困
現代日本の貧困と社会保障制度
欧州と世界の貧困史―古代から現代の貧困政策
貧困の測定
日本における貧困
貧困の国際比較
貧困問題に対する社会保障(1)―生活保護制度の役割と課題
貧困問題に対する社会保障(2)―生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の未来〔ほか〕
著者等紹介
駒村康平[コマムラコウヘイ]
1995年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、博士(経済学)。2007年4月より現職、慶應義塾大学経済学部教授、ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター長。受賞:日本経済政策学会優秀論文賞、生活経済学会奨励賞、吉村賞、生活経済学会賞など
渡辺久里子[ワタナベクリコ]
2014年慶應義塾大学大学院経済学研究科単位取得退学。現在、神奈川大学経済学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa
20
貧困とその対策についての歴史、貧困の測定方法、貧困についての現代的な問題などについて詳しく学べた。ネットなどでは自己責任論に則った厳しい論調なども見受けられるが、自分はそういう意見には決して賛同できないと改めて認識した。2025/07/07
とある本棚
9
貧困概念について知りたいと思い手に取ったが、概念そのものの分析よりも、日本の社会保障(生活保護等)の実態と国際的な貧困指標に紙幅が多く割かれていた。長くないページ数ながら、多岐にわたる情報が詰め込まれているため、消化するには時間がかかる。2023年発行ということもあり、新型コロナによる女性やひとり親世帯への影響にも言及がある。教科書なので、広く浅く説明されていることから、関心のあるトピックを見つけて専門書に進むのが良いと思う。2023/10/21
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