出版社内容情報
「何ゆえに、われわれは、今、ここに、このように生きているのか?」を根本の問いとして、主な「根源思想」を振り返った後、西洋哲学を考える。近代文明を問い直すアメリカ先住民の思想、そして日本の思想を考える。現代になると産業が科学技術と結びついて自然の大改変をする中で地球環境問題が生じている。医療技術の進歩により人間の生と死に人為的な操作も可能になった。こうした今、改めて哲学・思想を広い視野から根本的に考え直す必要がある。
目次
哲学の精神と根本の問い
人類史の概観と根源思想の成立と展開
西洋哲学の基礎
西欧近代文明の成立(一五~一七世紀)
近代哲学の確立(一八~一九世紀前半)
非西欧の伝統文化と近代文明による侵略
日本の伝統思想と近代化の達成
近代から現代へ(一九世紀後半~二〇世紀へ)
現代哲学の成立―ハイデガー『存在と時間』の衝撃
近代日本における新たな思索の展開―西田幾多郎と和辻哲郎〔ほか〕
著者等紹介
魚住孝至[ウオズミタカシ]
1953年生まれ。現在、放送大学特任教授、博士(文学)。専攻は倫理学、日本思想、実存思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さな
0
放送大学の学生ではあるが、本科目は履修外で、急に哲学を概観したくなって読み進めた。書名の通り、単に哲学についてではなく、世界史に沿って哲学や思想がどのように発展・進化してきたのかを概観する。西洋哲学だけではなく北米原住民や日本の思想にも触れており、非常に幅広い。中でも和辻哲郎に興味をもった。ただしこの本だけでハイデガーや道元の思想について理解するのは不可能で、これら哲学の独特な用語の解説が不足している。要はもう少し踏み込んで勉強しろということと理解して、これらについては次の書籍にあたることにする。2023/11/25